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第192話

「それってさぁ…ほんとにずっとかもよ…? 今さら――って言ってもたかだか十数年しか生きてないけど、それでもふたり以上に他に行っちゃヤダ!!って思う人いなかったもん。おっさんになってもおじいちゃんになってもそう言えなかったらどうすんの?」 「3人で仲良く老人ホーム入ればいいんじゃね?」 「その手があったか」 いや、千歳。その手があったか、って納得していいの? 「…いつかさぁ、結婚したくなったら言ってよね」 俺がこぼした言葉に、ふたりはなぜか顔を見合わせた。何で? 「その『いつか』はあんまり来ないと思うけどな」 そう言って千歳が笑う。 「俺たちも、蜜以上に構ってやりたいと思う相手はいなかったし」 「『構ってやりたい』なの?」 「相手にそこまで興味がわかなかったからな。…失礼な話だけど」 興味、かぁ。 そういう意味では、衞宮くんもそうなんだよな。知りたい!じゃなくて、知らなきゃっていう、義務みたいなのだった。 「蜜は前にも、好きな人が出来たら言って、とか言ってたけど」 「あーやめて。そんなこと言ってない」 「言っただろ?」 「そうそう」 両サイドから腰を抱かれて、こめかみにキスを落とされる。 「知らないもん」 言ったよ。確かに言った。 でもそんなの俺が耐えられないだけだって気づいたけど。 できないことは言っちゃいけないね。 ふたりが彼氏になってから、今まで以上に甘えて甘やかされて。ほんとに離れられる気がしない。居心地が良すぎて、ダメ人間になりそうだよ。 でもなぁ。 「ねー、キスしたい」 甘えちゃうんだよなぁ。 足を止めて、腰を抱かれたままふたりとキスをする。 「百は千歳にもしなくていいの?」 「え、これそーゆう流れ?」 「んー、と。0.2割だから、しなくていっか」 「蜜に100回するうちの2回って少なくないか…? そもそも百は口にはしてくれないから、その辺の回数緩和を要求する」 「千歳ガチじゃん」 「うーん…じゃあ50回してくれたら千歳に1回とか」 「20回!」 「だから俺で競りをするな」 そう言いながら百はまた俺にキスをして、千歳を見てから千歳の手を取って指先にキスをした。 なるほど。 「場所とタイミングは百の気分次第だね」 「蜜に次ぐ小悪魔だな…」 「小悪魔じゃねーから」 こういうふたりのやり取り見てるのも、俺は好きなんだよね。 美形と男前のキスってなかなか…うん、萌える。

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