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第193話
やっぱりこうやって3人で過ごしてる時間が大好きだし、幸せだと思う。
いつまでこうしていられるかは分からないけど、できるなら長く、一緒にいたいよ。
そんなこと、照れくさくてちゃんと言えないけど。いつか離れたくなったら言って、なんて、俺の強がりでしかない。
でもきっと、百も千歳もそんなこと分かってるんだろうな。
ふたりの頬に俺からキスをして、両腕を組んで歩く。
腕組んで歩くのなんて、周りから見たらいつものことなんだろうけど、関係につける名前は変わってるから。気持ちも何となく、違う。
めちゃくちゃ自慢したい。けど、こっそり楽しんでもいたい。
贅沢な悩み。
「何かねぇ」
ふたりが俺の歩幅に合わせてくれる。当たり前みたいにしてくれるそれが嬉しくて。
「…大好き」
くすぐったくて。でも、伝えたくて。
ふたりは優しく笑って、また俺にキスをした。
「俺も蜜が大好きだよ。千歳のことも、0.2割想ってるけど」
「俺は蜜が大好きだし百のことも好きだぞ」
「知ってる」
衛宮くんにはおかしいって言われたけど、そんなのどうでもいい。周りなんて気にする必要もない。
これでいいの。これがいい。
「あ、女王様たちおかえりぃ~」
3人で教室に戻ると、茅ヶ崎が何やらワイルドな格好になっていた。
「え、どうしたの? それ」
ワイシャツのボタンが2つ3つなくなって、下に着てるTシャツはおろか、胸元まで見えてるし、首には引っ掛かれたような傷が出来ていた。
「あ、これぇ~? 急に襲われてねぇ~」
「え、」
まさか…。
まさかとは思うけども衛宮くん関係…?
茅ヶ崎のことも色々言ってたし…。
「女王様、そんな顔しなくても大丈夫だよぉ~」
茅ヶ崎はケラケラ笑った。
「女王様に心配されるのも悪くないけどぉ~、逆にひん剥いていじめてあげたからぁ~うふふぅ」
茅ヶ崎はそう言ってニヤリと笑った。
「ちょー楽しかった」
………うん。楽しそうで良かった、かな。
「知ってる人?」
「ううん~知らない人ぉ」
「…そう」
やだな。みんなに何かあったら嫌だ。
「…何かあったら、ちゃんと言って。茅ヶ崎だけじゃなくて、みんなも」
俺は茅ヶ崎に比べたら非力だけど、それでも衛宮くんに関係することなら2、3発殴ってくるくらいの気概はある。っていうか殴る。絶対殴る。
「女王様に心配されるなんて役得じゃなぁい~?」
「茅ヶ崎、俺は真面目に、」
「うん。分かってるよぉ」
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