193 / 240

第193話

やっぱりこうやって3人で過ごしてる時間が大好きだし、幸せだと思う。 いつまでこうしていられるかは分からないけど、できるなら長く、一緒にいたいよ。 そんなこと、照れくさくてちゃんと言えないけど。いつか離れたくなったら言って、なんて、俺の強がりでしかない。 でもきっと、百も千歳もそんなこと分かってるんだろうな。 ふたりの頬に俺からキスをして、両腕を組んで歩く。 腕組んで歩くのなんて、周りから見たらいつものことなんだろうけど、関係につける名前は変わってるから。気持ちも何となく、違う。 めちゃくちゃ自慢したい。けど、こっそり楽しんでもいたい。 贅沢な悩み。 「何かねぇ」 ふたりが俺の歩幅に合わせてくれる。当たり前みたいにしてくれるそれが嬉しくて。 「…大好き」 くすぐったくて。でも、伝えたくて。 ふたりは優しく笑って、また俺にキスをした。 「俺も蜜が大好きだよ。千歳のことも、0.2割想ってるけど」 「俺は蜜が大好きだし百のことも好きだぞ」 「知ってる」 衛宮くんにはおかしいって言われたけど、そんなのどうでもいい。周りなんて気にする必要もない。 これでいいの。これがいい。 「あ、女王様たちおかえりぃ~」 3人で教室に戻ると、茅ヶ崎が何やらワイルドな格好になっていた。 「え、どうしたの? それ」 ワイシャツのボタンが2つ3つなくなって、下に着てるTシャツはおろか、胸元まで見えてるし、首には引っ掛かれたような傷が出来ていた。 「あ、これぇ~? 急に襲われてねぇ~」 「え、」 まさか…。 まさかとは思うけども衛宮くん関係…? 茅ヶ崎のことも色々言ってたし…。 「女王様、そんな顔しなくても大丈夫だよぉ~」 茅ヶ崎はケラケラ笑った。 「女王様に心配されるのも悪くないけどぉ~、逆にひん剥いていじめてあげたからぁ~うふふぅ」 茅ヶ崎はそう言ってニヤリと笑った。 「ちょー楽しかった」 ………うん。楽しそうで良かった、かな。 「知ってる人?」 「ううん~知らない人ぉ」 「…そう」 やだな。みんなに何かあったら嫌だ。 「…何かあったら、ちゃんと言って。茅ヶ崎だけじゃなくて、みんなも」 俺は茅ヶ崎に比べたら非力だけど、それでも衛宮くんに関係することなら2、3発殴ってくるくらいの気概はある。っていうか殴る。絶対殴る。 「女王様に心配されるなんて役得じゃなぁい~?」 「茅ヶ崎、俺は真面目に、」 「うん。分かってるよぉ」

ともだちにシェアしよう!