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第201話
茅ヶ崎、笑顔だから説得力ないぞ。
「これに懲りたら安易に物事を引き受けないことだな。ついでに、知らないやつの言うことを聞いてはいけない」
「ほんとだよねぇ~。バッカみたぁ~い。って言うか、僕の気がこれで済んだと思ってんの?」
「ヒィ…ッ」
「……!」
2人とも顔面蒼白で悲壮な表情を浮かべた。
「知ってる? 尿道って綿棒入るらしいよぉ?」
「~~ッ!!」
「やめてやれ」
恐怖のあまり、超音波みたいな悲鳴になってるだろ。
「しょうがないなぁ~。ローターMAXで許してあげるよぉ~」
「ん"―――――――ッッッ!!」
「おいやめろ。外で聞いてるんだぞ」
蜜が。
「あっ」
「一応 耳は塞いである」
「ナイス」
百がいて良かった。
「他に話してないことはあるか?」
「ない…っ、なにもっ、ないぃ…っは、はやく…っ」
「まぁ、あったとしてもクラスも名前も学籍番号も全部把握してるから、聞きに行けばいいしな。外してやってくれ」
「おっけ~ぇ」
茅ヶ崎は股間丸出しの方は放っておいて、まずオモチャを突っ込まれてる方の腕を自由にした。
「腕が自由になったんだから後は自分で外せるよねぇ?」
「っひぅ…っ」
「ついでに、そっちのも外してやりなよ。じゃ、僕たちは行くから」
「着替えとかいるだろ?」
蜜の耳を塞いだ百がひょいっと顔を出す。
「そこまでしてやる義理があるか?」
「恩は売っとくもんだよ?」
ちなみにこんな会話をしてる俺の背後では、股間が自由になった男が絶叫しながら大量に射精していた。最悪だ。
「そんなぐっちょぐちょのどっろどろじゃ寮にも戻れないでしょ」
この格好で戻る度胸はないだろうな。
「俺に任せてよ、ちーちゃん」
幼い頃の呼び方をして、百がにこっと笑う。百には何か考えがあると見た。
「えっ今の呼び方可愛い~」
茅ヶ崎が目を輝かせる。百はそれに苦笑してから、ぐったりしている2人に声をかけた。
「使い捨てだと思ってジャージやるからさ、動けるようになったらそれ着て戻って来なよ。残念ながら下着はないけどそれくらい我慢出来るだろ」
そう言って、持ってたカバンからジャージの上下を2組取り出して床に置いた。その上にタオルとビニール袋を2枚ずつ。何でカバン持ってくのかと思ってたら、そのためか。
「もう懲りただろうからこんなことしないと思うけど、もし同じやつにまた何か頼まれたらすぐに教えてよ。――出来るよな?」
「…っ、はい…」
「もちろんです…っ」
ひどい目に遭った直後の優しさには、誰しも弱いもんだよな。
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