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第203話

「そう思ってた感じはするよな」 「僕も舐められたもんだよねぇ~」 茅ヶ崎が鼻で笑う。 そんな茅ヶ崎の隣では、蜜を抱え上げた百が忙しなく指を動かしながらスマホをいじっていた。 「とにかく今日は帰って、風呂入って寝よう。話はまた明日。みんなで共有しておいた方がいいこともあるだろうし」 俺が言うと、そうだねぇ、と茅ヶ崎は頷いた。 「ところで今日は誰の部屋で寝るのぉ?」 「荷物置きっぱなしだから百の部屋だな」 「お風呂も一緒に入るのぉ?」 「あの狭い風呂に?」 「女王様小柄だから2人なら入れるでしょぉ?」 「百ん家のお風呂大きいから3人一緒に入ってたよね」 「えっっそれはいつの話!?」 「茅ヶ崎 食い付き過ぎだろ…」 さすがに引くわ。 「今でも入ろうと思えば入れるよね?」 蜜が百を見る。 「入れるんじゃねーかな」 「……藤くん家ってどれだけ大きいの? そっちが気になるぅ…」 「百ん家すごいよ。お洒落なホテル感あるし、敷地内にお客さん泊める用の離れが3棟くらいあるし、ガーデンパーティー出来るくらいの庭がひとつだけじゃないし、庭の中にバラ園もあるし、専属の庭師さんいるし、別荘も色んな所にいくつかあるよね」 「………」 茅ヶ崎が百を見つめた。気持ちは分かる。 「えっ、待ってぇ。ほんとにすごいお金持ちだね!?」 「言うほどでもねーよ」 「言うほどでもない金持ちは自宅にホテル感ないし敷地内にお客さんのためだけの離れは3棟もないしガーデンパーティー出来るほど庭広くないしそもそも庭ひとつだけじゃないとかちょっと意味分からないしそこに更にバラ園作っちゃうとかもっと意味分からないし専属の庭師雇わないし別荘いくつも持ってないよぉ?」 「夏休みとか、百のお家に誘われて一緒に別荘連れてってもらったりしたー。あと、離れに泊めてもらったり!」 「百ん家 船も持ってるぞ」 「藤くん……めっっちゃお坊っちゃまじゃん…」 更にお手伝いさんいるのも言った方がいいか? お手伝いさん用のマンションを所有してるのも言った方がいいか? 「…その気になれば衛宮くんなんて一捻りじゃぁん…」 「衛宮の嫉妬に親を巻き込むのはおかしなもんだろ」 「そうだけどぉ…。なのに今まで普通の公立校通ってたのぉ?」 「うち、母親はそこそこのお嬢様だったんだけど父親の家がかなりの資産家で。すげー浮世離れしてて、こうなったら困る、って母親がな」 「なるほどぉ~…」 冬休みも遊ぼうねー、って蜜が可愛い顔でにこにこしている。 その楽しい冬休みのためにも、早いところ何とかしないとな…。

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