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第207話
「ねぇ、茅ヶ崎」
「なぁにぃ~? 女王様ぁ」
「茅ヶ崎はさ、こう、襲われた時?とか、どうやって対処してるの?」
力に差はあれど、背格好は同じくらいだし。出来ることがあったら知っておきたい。
茅ヶ崎は目をパチパチさせた。
「え、あ、女王様もしかして、いざと言う時のために備えようとかぁ?」
「うん。千歳も百もいてくれるけど、自分でも何か出来なきゃと思って」
「そっかぁ~。でもとりあえずちんちん蹴れば何とかなるよぉ~」
とりあえずで蹴って差し上げるな、って千歳が突っ込んだ。
「…おちんちん蹴ったら痛いじゃん」
「…………待って女王様。もいっかい言って」
何で茅ヶ崎 急に真顔なの?
と思いつつ、俺は口を開く。
「蹴ったら痛いじゃん」
「そうじゃない!!」
「うわ、びっくりした。急に大きい声出さないでよ」
「そうじゃなくて!! 蹴ったら痛いじゃんの前!! もいっかい言って!!」
「おい茅ヶ崎。蜜に何言わせようとしてる?」
蹴ったら痛いじゃんの前…?
「…おちんちん蹴ったら」
「あーやばい!! ちんちん勃つ…」
「おい茅ヶ崎。口を閉じろ」
やば、今度は千歳が真顔なんだけど…。何で??
「だって須賀谷くん…! 女王様 高校生男子だよ…!? 可愛すぎない…!? おちんちんって…可愛いかよ!!!!」
「可愛いんだよ!! 蜜に変なこと言わせて興奮するな!!」
………何か…茅ヶ崎が本格的にやばいのだけは分かった。
「…これからは絶対『お』つけない」
「蜜、そうじゃない。これからは何があっても『股間』って言いなさい。自分のために」
「なんでよ!! 可愛いから女王様は『おちんちん』って言ってよぉ!」
「茅ヶ崎。朝からそういうのを連呼するんじゃない。小学生男子か」
「高校生男子だよぉ~」
対処の仕方聞こうと思っただけなのに…。何でこうなるの。人選間違えたからなの?
でもとりあえず…えっと、股間を蹴るってさぁ…。
「あの、爪先で蹴ればいいの? それとも脛?」
「ヒットしたらはちゃめちゃに痛そうなのは爪先だよねぇ…。けどまぁ、何でも脚を振り上げればいいと思うよぉ~。3回くらいガツガツ蹴ってもいいしねぇ~」
「…絶対痛いじゃん…」
「どこがぁ~?」
「茅ヶ崎が期待してる答えは言わないからね」
もう人前であの言い方はしない!
「残念~。けど自分を襲ってくるやつに同情なんていらないからねぇ~。痛かろうが何だろうが、蹴って玉潰してあげないとぉ~」
「潰すまでは言ってない…」
絶対痛い。
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