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第208話

「でも女王様みたいな華奢で可憐なタイプに蹴られて興奮するのもいそうだよねぇ~逆に」 そんな変態世の中に存在するの? と思ったけどそう言えば一回遭遇してたわ。寮で。「踏んでください!」って追いかけられたことあった。 ため息が出ちゃうよね。 「百と千歳みたいな人ばっかだったらいいのに…」 「それは夢のようで贅沢な世の中だねぇ~」 「百や俺みたいなのばっかりだと、蜜が目移りしそうで安心できないな」 「そんなことないよ。百も千歳も1人しかいないもん。周りは『みたいな人』なだけで、本物じゃないでしょ? 本物以外はいらないの」 「じゃあ僕が本物以外をもらう~」 「……何でか今ゾッとした」 「須賀谷くん、素でひどくない?」 「すまん」 茅ヶ崎は……茅ヶ崎だもんな。 「茅ヶ崎って特定の相手は作らないようなこと前に言ってたけど、みんな1回だけの関係なの?」 「気に入ったちんちんとは何回かするよぉ~」 「気に入った…」 「人じゃなくて股間で認識するってどうなってるんだ…」 千歳がドン引きしてる。 それって、顔ちゃんと覚えてるのかな。 「でも昨日みたいなのは遊んで終わりなんでしょ?」 「昨日のはねぇ~腹立ち紛れに遊んだよねぇ~。ま、大したことないちんちんだったしぃ~? 相手しなくていいや、って思ってぇ~」 「もし衛宮くんが直接何かしてきたら?」 俺が聞くと、茅ヶ崎はちょっと凄みのある表情でニヤリと笑った。 そんな表情初めて見た。 「そしたらたぁっぷり可愛がってあげるに決まってるじゃぁん」 獰猛な茅ヶ崎だ。 「女王様の目の前で可愛がってあげたらいい顔するだろうなぁ~ふふっ」 「えげつないのは見たくないかな」 昨日の千歳が『地獄』って表現してたし。 「けどぉ、僕より女王様にそういうことしたいと思ってるからねぇ~」 「俺はしたくないんだけどね」 「騎士様たちとはしないのぉ~?」 「まだしない。付き合いだけは長いけど、そういう関係になるのはまだ…ちょっと、恥ずかしいじゃん…」 「女王様が可愛いいいい!!!!」 「茅ヶ崎、叫ぶな。蜜が可愛いのは百と俺が一番よく知ってる」 「そんでナチュラルに惚気るよねぇぇぇぇぇえ!!」 照れちゃうよね。 キスはしたいし、してほしいし、いっぱい甘やかされたいし、甘やかしてほしい。撫でてほしいし、いっぱい触れてほしい。 全部見せるのは怖くないけど…どれだけ付き合いが長くても、えっちな気持ちで見るのも見られるのも、恥ずかしい。

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