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第209話

前はそういう、あからさまなえっちな対象として見られるのが怖かった。 けどそれって、百と千歳じゃない人たちからしか見られたことがなかった。 ふたりとするなら、って考えたら、怖さじゃなくて恥ずかしさがあることに気づいた。 だから…ふたりからなら、そういう風に見られても、いい。 …恥ずかしくて言えないけど。 「…須賀谷くん、女王様がすごく可愛い顔してるぅ」 「茅ヶ崎は見るな。蜜が減る」 「ひどい! 女王様は減らないよぉ!?」 「蜜、こっち来なさい。今は百がいないから、俺から離れないようにな」 「はぁーい」 「須賀谷くんが女王様独り占めするぅ~」 千歳が俺の肩をしっかり抱いて教室へ。 「騎士がひとり足りないな…」 ドア開けた途端にそれってどうなの委員長。 「おはよう、委員長。百なら後から来るぞ。今はちょっと呼ばれて別のとこにいるだけだ」 「おはよう。それなら安心した」 「藤くんの代わりに僕がいるんじゃぁん」 「茅ヶ崎の戦闘力は別方向の戦闘力だからな」 なに方向とは聞かなくても分かる。 「ところで昨日縛り上げてオモチャにした奴らには会ったのか?」 「地獄だった…」 「めちゃくちゃ実感込めるな…須賀谷…そんなにか」 「蜜には絶対に見せられないな」 俺は見なかったけどね。 「そのふたりの学生証、まだ持ったままだから今日あたり返しに行くか」 千歳がそう言いながら、ポケットから2枚の学生証を取り出した。 「直に返さなくても、職員室に届けるのもアリだとは思うよ?」 「そうか。それでもいいな」 「え~? 直に会いに行けばいいじゃぁ~ん」 茅ヶ崎はニヤニヤしてるから…楽しもうとしてるな。 「あっ、僕閃きましたぁ!」 「ろくなことじゃないと思うが一応聞こう」 「須賀谷くん辛辣ぅ~。あのねぇ、衛宮に返せばいいんだよぉ」 茅ヶ崎がついに衛宮くんを呼び捨てにした。 「これ返しといてねぇ~。って」 「お。と言うことは、王様になり損なったモラハラ男の差し金だったと?」 委員長の言い方もどうなの? 笑うからやめて。 「うん、そう~。なり損ないの仕業だったのぉ~」 もはや名前ですらない。可哀想に。 「まず茅ヶ崎を狙うとは浅はかだな。とは言え、まず両サイドに手を出したら脳ミソ詰まってんのかレベルで笑ってしまうが…」 そう言いながら、委員長が考えるようにこっちをじっと見た。 「女王陛下に辿り着くのは至難の技だな」 「騎士様SECOM発動するもんねぇ~」

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