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第223話
シャンプーを流してもらって、次はトリートメント。百はその間もひたすらボディソープを泡立てていた。すごいふわっふわの濃密泡出来てる…!
「メレンゲみたいだな」
ふわっふわ泡を見た千歳の感想に、俺も頷く。
「ほんとはこういうふわっふわの泡で洗うのがいいっていうよね。自分だとテキトーに泡立てて洗っちゃうけど」
「泡で出てくるタイプのもあるからそっち使えばいいんだけどな。俺だって自分の体洗うならテキトーに泡立てて洗うけど」
「え、じゃあ何でそんなふわっふわにしてるの?」
俺が聞くと、百は『何で?』って顔をした。
「蜜の体洗うからだろ?」
「え、あ…そ、はい…」
そんな『当然』みたいな顔されたら照れる…!
「千歳 手ぇ出してー」
顔に熱を集めてる俺には気づいてない百が、気づいてにまにましてる千歳の両手に濃密泡を盛る。
「蜜、前は自分で洗う?」
「え、あ。えっと…」
まぁ、恥ずかしいからね。
「……」
でも。
「…洗って、って言ったら洗ってくれるの?」
「いいけど?」
いいんだ。
俺のその、アレ触るのとか、平気なの…かな。
いや、俺も平気でいられるのかな、とは思うけど。
「じゃあ洗って」
「仰せのままに」
「百、この大量の泡はどうすれば…?」
「そのまま背中とか腕に滑らせてあげて」
「こうか…?」
「うーん。何か左官屋さんみたいだけどそう」
百が俺の左手を取って、肩からしっとりした泡を滑らせる。
「千歳、背中の泡前にも送ってあげて」
「前?」
「腹の方」
「ん、」
やば、変な声出ちゃった。
「…ちくび触った」
「ちーちゃんのえっち~」
「待て、わざとじゃないぞ!?」
「知ってるよ」
「千歳が茅ヶ崎みたいなことするわけねーじゃん」
「うわ…一緒にしてくれるな」
うわ、って言った。
「っていうか蜜さぁ、今ふつーに体触ってるけど平気?」
「何で? 千歳と百だもん。恥ずかしいけど、触られるの嫌じゃないよ。平気」
っていうか、ほんとは…ちょっと、気持ちいい。好きな人たちに触られてるんだもん。
「そ? ならいいか」
えっちな触り方じゃないしな。
「っあ、でも脇腹はくすぐったい…っ」
「あと背中か」
「千歳、すーってやってみ?」
「俺が遊ぶわけないだろう」
「ひゃ、ぁ…っ」
「遊んでんじゃん」
俺だけ遊ばれるのずるくない?
「脚は平気なのな」
「脚は平気。っん」
「どこが?」
「だって自分で洗う時何ともないも、んっ」
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