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 悪戦苦闘すること、20分。  たぶんできた。  正解が分かんないから、これで十分なのか、心配ではあるけど。  ベッドに戻ると、全部脱いだ春馬さんが、真顔のまま両手を広げた。 「来て。ぎゅーってしたい」  死ぬ、しぬしぬしぬ!  萌え散らかしながらベッドに這い上がって、彼の懐に入る。  春馬さんは俺をゆるっと抱きしめると、つむじのあたりにくちびるを寄せた。  やば……あったか……。  安心感で、そのまま永眠しそうだ。  頬をすりっと胸のあたりにくっつけたら、春馬さんは小さい声で「うー」とうめいた。 「自制きくかな」 「何が?」 「みいが可愛すぎて。無理させたくないんだけど」 「好きにしていいよ。嫌だったら嫌って言えばいいんでしょ?」  ちらっと上目遣いに見たら、春馬さんは面食らったような顔をしていた。  そして、そのまま俺を、横倒しにする。 「ほんとに、やだったらすぐに言ってね?」 「うん。でも俺、全然不安とかないよ。春馬さん俺のこといっぱい考えてくれるし」 「それはね、考えてるよ。いつも。好きな人だもん」  春馬さんは、ベッドの下の収納を開けて、がさごそと中を漁った。  新品のローションとコンドーム。  そっか、俺のために買っといてくれたんだ。 「後ろ、ほぐすね。触っていい?」 「ん、して」  そろっと足を開いたら、春馬さんが生唾を飲んだのが見えた。  春馬さんはこう言った。  BLでは、指が3本入ったら挿れていい合図みたいになってるけど、そうとは限らない。  2本で大丈夫な人もいれば、もっとほぐさないとダメな人もいる。  人それぞれ、と。  そしていま俺は、指だけで喘いじゃうという、BLお約束の展開になっている。  春馬さん。俺、けっこうテンプレな受けなんでしょうか?  なんて考えたのも、春馬さんがぐるっと指の向きを変えた瞬間に飛んでしまった。 「ぁあ……ッ、」 「これ気持ちいいの?」 「んん……きもちいい」 「感じるの、上手だね」  ほめられて、全身の皮膚が粟立つ感じがする。  やばい。ほんとに。  ほぐすだけでこんな状態なのに、実際春馬さんのを挿れてもらったら、どうなっちゃうんだろう。 「ん、はるまさん、まだこれするの……?」 「そろそろかなって思ってたけど。どう? きつくない?」 「きつくはなくて、その……、早くしてみてほしくて……」  春馬さんは指を引き抜くと、ちょっと困ったような顔をした。 「みい、ほんとに、そんなに可愛く煽らないで? 優しくできなくなっちゃう」 「だって、春馬さんと繋がりたい」  春馬さんの下腹部を見る。  ペニスはガチガチに固く反り上がっていて、あれが入ってきてさっきの気持ちいいところを突いてくれるんだと思ったら、興奮で頭がおかしくなりそうだった。  春馬さんは、そっと俺の頭をなで、俺の腰の下にクッションを挟んでから、コンドームの袋をやぶいてくるくるとはめた。  そしてもう1度、ローションを足す。 「挿れるね。深呼吸して、なるべく力抜いて」 「うん」  先端が、ぴたりとくっつけられる。  大きく吸って、吐いたら、ぐぐっと穴が押し広げられる感じで、入ってきた。 「…………っ」  苦しいし、変な感じ。トイレのときとあんまり変わんない感覚。  でも、春馬さんの表情を見ると、眉根を寄せて口を半開きにしていて……めちゃくちゃエロい。 「……、これで全部。平気?」 「ちょっと苦しいけど、大丈夫。痛いとかはない」  春馬さんは、ほっとした表情を浮かべた。 「じゃあ、ちょっとずつ動くね」  ちょっと、腰を動かす。ほんとに、少し揺れる程度。 「ぁ、あ…………」  それでも、声が漏れる。  やばい。苦しさと気持ちよさが、紙一重でいったりきたりしてる感じ。  目を開けたら、春馬さんは、上気した顔で俺のことを見下ろしていた。  めちゃくちゃ色気。なにこれ、尊すぎる。 「春馬さん、好き、すきっ」 「可愛い。もっとしていい?」 「ん、ん……っ、して」  大きく引いて、ゆーっくり奥まで押し込んでくる。その繰り返し。  中を慣らすみたいに、何度も何度も。  漫画みたく勢いをつけてパンパンしてるわけじゃないのに、めちゃくちゃ気持ちいい。 「ぁあ、あ、はあっ、はるまさん……、」 「さっき気持ちよかったところ。突くね。きつかったら言って?」  俺の腰を持った、と思ったら、小刻みに腰を振ってきた。  さっき知ったばかりの良いところに、知らない感覚。 「あッ、んぁッ……っ、はあ、はぁっ、ぁあッ」 「あー、みい。すごい。中」 「ん……はぁっ、……ッあぁっ」 「エッチだね。可愛い。好きだよ」  絶対そんなこと言わなそうな人に、どろどろに甘やかされてエッチだなんて言われて……。  脳味噌も興奮して、体もめちゃくちゃに感じて、春馬さんの腰つきが大胆になるごとに、おかしくなりそう。 「あぁ、も、ダメ。……っ、触っていい? イキたい……ッ」 「してあげる」  ぎゅっと目をつぶりながら、両手でシーツを掴む。  春馬さんは、俺のペニスをしごきながら、巧みに中を突いた。  じわじわと、射精感が高まる。 「ぁ、あっ、イッちゃう……っ、あ」 「みい、こっち見て」  目を開けたら、春馬さんは、穏やかに微笑みながら言った。 「イッて」 「…ぁああ……ッ!……あぁ……っ!……ッ、…………!……んぁッ!……っ!……」  吐き出しきったところで、春馬さんも、俺をぎゅーっと抱きしめて果てた。

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