31 / 69

4-4

 春馬さんは、ベッドで寝転がって待っていた。  何も言わずにそっと隣に寝て、体をくっつけたら、春馬さんは眉尻を下げて少し笑った。 「可愛い。僕のみい」  なでられて、きゅんとしてしまう。『僕の』なんて。  表情だけでキスをねだると、くちびるがくっつくギリギリのところまで寄せて、小さくつぶやいた。 「恥ずかしいこといっぱいしちゃうかも知れないけど、恥ずかしがらずに、気持ちいいって言ってね?」 「うん」  目を閉じると、ちゅっ、ちゅっと軽く口付けた後、大胆に舌が入ってきた。 「んぅ……っ」  春馬さんも興奮してくれているみたい。  息を弾ませながら、口の中をあちこち探る。  開いた片手では俺の皮膚の表面をなでていて、手のひらの温度を感じたら、あっという間に勃起した。 「はぁ、ぁ……、はるまさん」 「キス、気持ちいい?」  こくこくとうなずく。  春馬さんは、顔を離すと、そのまま下へ移動していった。そして、俺のものを口に含む。 「あ、それやばぃ……、ん、ぁあ」  温かい口の中で舌が暴れまわり、裏筋やくぼみを重点的に攻めてくる。  思わずシーツを握りしめた。 「ぁ、あぁッ、ん……んぁあ」  ちょっと口が離れた、と思ったら、ボトルを取り、手にたっぷりのローションを出した後、再びペニスをくわえながら後ろをほぐし始めた。 「あ、ぁ、んぁッ……あ、きもちい」  前立腺を押されるたびに、体がビクッビクッと跳ねる。  恥ずかしいくらい感じてしまって、くちびるを噛みながら、両方からの刺激を受け止める。  でも、受け止めきれない。 「イッちゃう、春馬さん、もうイッちゃう」  俺の訴えには答えず、中はグチュグチュと音がいやらしくて、ダメだった。 「ぁあ、……ッ、あ……!……!」  吐き出した精液を全て飲み込んだ春馬さんは、口をぬぐって俺に覆いかぶさった。   見たこともない妖艶な表情。 「ん、……春馬さんも」 「まだ、もう少し。べたべたに可愛がるって言ったでしょ?」  耳の裏や首筋に口づけたり、耳の中に舌を挿し入れたり。  ゾクゾクして、思わずしがみつく。 「はぁ、んっ……、はるまさん、変になっちゃう……」 「可愛い。いいよ、変じゃないから」 「は、ぁ……、そうじゃなくて、んぁ」  正気が保てなくなりそう。  くちびるが下に下にとおりてきて、乳首をとらえた。  期待していた刺激に、身悶える。 「はあっ、ん、はぁ」 「すごい。乳首、固くなってる。可愛い」  それ以上、可愛いって言わないで。  イッたばかりなのに、まだ上半身にキスされてるだけなのに、気持ちよくて、息切れしている。  片手で中をまさぐられながら、乳首を指の先でピンピンと弾かれたら、体が跳ねた。 「あ、あ……っ、春馬さん、」 「これ、好きなのかな。また勃ってる」  カリカリと爪の先でいじられる。限界だった。 「あ、春馬さん、お願い……っ、挿れて。お尻、切ない」 「我慢できない?」  春馬さんは俺の足をぐっと持ち上げて、まじまじと見た。 「ほんとだ。ひくひくして、可愛くおねだりしてるね」 「ん、欲し……っ」  コンドームをはめ、ぐっと体重を乗せる。  いとも簡単に1番奥まで入って、自然に腰が揺れた。 「……っ、あぁッ」 「すごい。中、吸い付いてくる。欲しかったんだ」 「あ、いっぱい突いて」  春馬さんは生唾を飲んだ後、俺の腰をしっかり持って、いきなり大きく動き出した。 「ぁああッ」 「可愛い。ちゃんと気持ちいい?」 「んっ、ふぅっ、あ……ッ、奥きもちぃ……っ」  熱い塊が、何度も出たり入ったりを繰り返す。  パンパンと肌を打ち付けながら中を突き、息を弾ませて感じている表情は、いつもの物静かな彼と同一人物とは思えない。  何かに遠慮することも、気持ちを押し込めることもない、自然体の春馬さんがそこにいて、これを知っているのが俺だけだと思うと、興奮せざるを得なかった。 「ぁあッ、んっ……はぁ、1番気持ちいいところ、して……っ」 「可愛く鳴いてね」  前立腺目がけて、小刻みに揺らす。 「あんっ、あッ、ぁあっ……んぁッ」 「いい声」 「はぁ、イ、イキたぃ……っ」  ペニスに手を伸ばそうとしたら、両手を押さえられた。 「お尻だけでイケるよ」 「やだ、やっ、むり……っ、下触ってッ、イキたいっ」 「ううん、お尻でイッて?」 「ぁあんッ、や、イッ、……ぁあっ」 「みい」  ゴリッ、ゴリッと、強めに前立腺を突かれた。 「あぁあああッ……!……!……ッ、ぁあ……!……ッ」  ビュクビュクと吐精する。  春馬さんは、吐き出し終えて力の入らない俺を抱えてくれて、そのまましばらく突き続けると、最奥へガンガンッと打ちつけてイッた。

ともだちにシェアしよう!