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第一章・2
「じゃ、蛍。まずは寝室を掃除するから、案内してくれ」
「……こっちです」
「友達だから、タメ口でいいよ」
そうは言っても。
「矢守さん、何歳ですか?」
「28歳」
「僕、20歳です。年下ですから」
「俺、51歳の友達いるけど?」
「……寝室、こっちです」
いろいろ言っても、無駄だ。
この人は、僕が苦手なグイグイ押してくるタイプの人だ。
(部屋の掃除が全部済んだら、辞めてもらおう)
そんな風に、後ろ向きに考えながら蛍は等を寝室へ案内した。
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