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第一章・3
閉めっぱなしのカーテンに、いつ代えたか忘れてしまったリネン。
機能していないアロマディフューザーに、埃まみれのエアコン。
「これは、やりがいがある!」
等は腕をまくり、やる気満々だ。
「掃除は2時間程度で終わるだろうから、蛍はそれまでリビングで昼寝でもしててよ」
「昼寝」
手伝え、と言われなかったのは幸いだが、どうして。
「どうして僕が昼寝をしたがってるのが解ったんです?」
「顔色が悪いから。慢性寝不足、って感じ」
他人から見ても解るくらいなのだ。
今の自分は、よほど酷い顔をしているに違いない。
「じゃ、後はよろしく」
「まかせといて」
寝室に等を置いて、蛍はリビングのソファへ寝ころんだ。
うとうとしているところへ、時折リネンを抱えた等がうろつく。
洗濯をしているのだろう。
不思議と物音が邪魔にはならなかった。
洗濯機の電子音を遠くに聞きながら、浅い眠りを漂った。
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