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第一章・5
「何なら、俺が磨いてあげようか?」
「いいよ! 自分でやるから!」
慌てて歯ブラシを受け取り、洗面台へ駆けた。
これまた真っ白に、ピカピカになっている。
むぐむぐと歯を磨きながら、意外と有能な等を思った。
(いつの間にか、つられてタメ口になっちゃったし)
彼が友達として、家じゅうの掃除を片付けたとして。
(他に何かメリットがあるのなら、辞めてもらうのもう少し後にしよう)
歯磨きを終えて寝室へ入ると、蛍はその居心地の良さに驚いた。
快適な室温に湿度、アロマの優しい香り。
さらりとしたシーツに、ふかふかの枕。
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