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第一章・6
「どう? 気に入ってくれた?」
「いや、あの、ありがとう」
そう言えば、以前はこんな部屋だったような気が……。
「後でカーテンも洗うから。今のところは、これで我慢して」
「うん」
(カーテンまで洗う気でいるのか!?)
少し呆れたが、蛍は吸い込まれるようにベッドに潜った。
それほど、心地よさそうだったのだ。
「好きなだけ、眠っていいから。お腹がすいたら、起きてきて」
「うん、解った」
とはいえ、最近食欲がないのだ。
これは死ぬまで眠ってしまいそうだ、と考えながら蛍は瞼を閉じた。
(あ……、気持ちいい……)
後は、気を失うかのように眠ってしまった。
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