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第一章・7

 目覚めた蛍は、ピカピカのバスルームへ通された。 「僕、どれくらい眠ってた?」 「さあ?」  午後、まだ日の高いうちに眠ったが、起きたのは夜だった。  ずいぶん長い昼寝をしたものだと思ったが、それは翌日の夜だった。 「まさか、丸一日以上寝てたなんて」  シャワーを浴びながら、蛍は愕然としていた。  不眠症気味だったこのところ、睡眠導入剤を飲んでもろくに眠れなかったのに。  シャワーを浴び、香り高い湯の張ってあるバスタブに身を沈めた。 「はぁ~」  思わず、大きな息が漏れる。  快適。  そんな言葉が、浮かんできた。  熟睡の後は、心地よいバスタイム。  そして。 『お風呂から上がったら、食事にするから』  そんな等の言葉が、思い出された。  至れり尽くせり、だ。 「彼は『友達』じゃなかったっけ?」  その気配り、働きは、まるで小さな子どもの保護者のようだ。

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