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第二章・5

「タピオカ、どう?」 「味はあんまりないんだね。モチモチしてる」  一生懸命ストローでタピオカを吸い込んでは、口に入れる蛍。 「モチモチ、の他は?」 「う~ん。思ったより、固い。プチン、とすることもあるかな」  ナタデココに触感は似ている、と蛍は考えていた。  なるほど、これは実際に食べてみないと解らないはずだ。  蛍は、ネットの情報を拾っただけでタピオカについて書いていた自分を、悔しく思った。 「知ってたら、もう少し掘り下げた描写が出来たのに」 「重版される時に、新しく書いたらいいよ」  等はそんな蛍を、ただ優しく見守っている。  蛍のタピオカデビューは、様々な体験と考えを彼にもたらしていた。

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