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第二章・6
タピオカ事件を皮切りに、等はどんどん蛍を戸外へ連れ出した。
「蛍、お花見に行こう!」
「蛍、サッカー観戦しないか?」
「蛍、バーベキューやろうぜ!」
そのつど蛍は、面倒くさい、と返す。
しかし、等の作るお弁当や、等のバイクの後ろに乗る爽快感や、等の秘伝のBBQのソースの誘惑に負けて外へ出た。
そしてマンションに帰って来ると、楽しかった、と思うのだ。
インドア派で、買い物は通販で済ませることが当たり前の蛍にとっては、大きな変化だった。
そんなある日、等が提案してきた。
「いつも俺ばかり誘って、悪いな。蛍、今度どっか行きたいところがあったら、言ってよ」
「いいの?」
「どこでもいいいよ」
「じゃあ、等のオフィスに行ってみたい」
えっ、と意外そうな等の顔だ。
「行っても、面白くないよ~」
「便利屋さんの会社って、どんな風か見てみたいんだ」
これは取材だよ、との蛍の言葉に、等は動いた。
(蛍に、創作意欲が沸いて来てる!)
いい傾向だ、とOKして、二人はバイクにまたがって出かけた。
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