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第三章 恋人になろう

 夕食後、キッチンで片づけをする等を、蛍は待っていた。  いつもなら、すぐに書斎へ籠ってしまうのだが、どうしても試してみたいことがあるのだ。 「あれ?」  書斎へ引っ込んでいるはずの蛍を、リビングのソファに見つけて等は軽く驚いた。 「どうしたの? TVでも、見る?」 「いや、そうじゃなくて」  ここに座って、と蛍は自分の隣をぽんぽんと叩いた。  こう? と座ると、彼はそっと等の肩にもたれて来た。 「え?」  とまどう等をそのままに、蛍はその感触を味わっていた。 (何か、ホッとする……)  このまま、とろとろと眠っちゃいたくなるような。  でも、もっと起きてて一緒にお喋りなんかしたいような。  ずっと、独りで生きて来た。  何もかも、自分で処理して歩んできた人生。  そこに、等が現れた。  僕を、支えてくれる人が現れた。

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