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第三章・7
意識が夢から現実へ浮上する。
(あ……、もう起きる時間……?)
等が来てから、蛍の生活は規則正しく矯正されてきた。
朝も、目覚ましをセットしなくても自然に目が覚める。
(でも、もう少しこうやって微睡んでいたい気分)
そうしてベッドでもぞもぞやっているところへ、不意打ちで頬に柔らかな感触が。
そして、甘い声が。
「蛍、朝だよ。起・き・て♡」
一瞬にして、バッチリ覚醒した。
「ぅわぁあ!」
がばと起きると、果たしてそこには等の姿が。
「おはよう。よく眠れたかい?」
まさか。
まさかまさか、今、頬にキスした!?
「なッ、何で、キス!? 朝っぱらから!」
「恋人だもん。それくらいするよ」
飄々とした、等の返事だ。
そうだった。
昨晩をもって、僕は等と恋人同士になったんだった!
寝起きをかき乱され眼を回している蛍に、等は部屋着を渡してきた。
「昨日の服は洗濯機に入れちゃったから、これを着て」
「う、うん」
服を受け取ったが、等は部屋から出て行かない。
「何で、見てるの」
「蛍の着替え、見てちゃダメ?」
「ダメーッ! 早く出てって!」
笑いながら出ていく等。
恋人になってから、ずうずうしくなった!
かっかと頬を火照らせながら、蛍は素早く着替えた。
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