36 / 55

第四章 エッチしちゃった!

 ルンルンと足取りの軽い等と、ゾロゾロと足取りの重い蛍。 (今夜、等とエッチしなきゃならないんだ……!)  そう考えると、身の竦む蛍だ。  ベッドシーンは幾度となく書いて来た彼だが、実際に自分が経験するのは初めてなのだ。  この手が、指が、僕の身体の中に入って来るんだよね。  繋がれた、等の大きな手のひら。  成熟した男性の、しかもゴリラの手は、武骨だった。  節張った、太い指。  固くて分厚い、皮。 「ん?」 「何?」 「なんで。いつの間に、手ぇ繋いでるの?」 「雨あがったし、いいじゃないか。恋人なんだから」  まただ。  恋人なら、何をしても許されるのか!? 「僕、嫌だな。恥ずかしいから!」 「え~」  振りほどくように手を離す蛍を、残念そうに見る等だ。

ともだちにシェアしよう!