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第四章・3
いつもならリビングのソファで寝る等が、寝室のベッドに掛けている。
「何か、違和感ありあり」
「そうかなぁ」
しっかりパジャマを着こんでいる蛍に対して、等は上半身が裸だ。
日に焼けた、逞しい体。
胸毛が無いことだけが、救いだった。
「あれ? 傷跡がある」
「ああ、これ? 昔ヤンチャやって出来た傷さ」
あと、仕事で出来た傷もある、と等は話した。
「さて、始めようか」
「何か、事務的」
じゃあ、と等は蛍の耳元で囁いた。
「愛してるよ、蛍……」
甘く響く、低音。
それだけで、蛍は全身の血が湧いて来た。
「キス、しよ。ね?」
「う、うん」
等は蛍の唇を塞いだ。
ゆっくりと上下のリップを甘噛みし、舌先を歯茎に添わせる。
やがて等の舌は蛍の咥内へ忍び込み、愛撫を始めた。
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