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第四章・5

「じゃあ、ベッドに横になって」 「……え」  そう言いながら、等はその唇を首筋に這わせている。 「ま、待って。ちょっと、待ってよ」  それでも等は、蛍のパジャマのボタンを外すことをやめなかった。 (大丈夫。声に甘えがある)  キスですっかり蕩けてしまった蛍は、その後の行為にも期待しているはずだ。  自分でも、気づかないまま。 「待って。あぁ、待って、ってたらぁ……」  腰の砕けた蛍は、等が少し力を加えただけで、ころんとベッドに転がった。  パジャマの上をすっかり脱がせてしまった等は、白くて薄い蛍の体を優しく撫でさすりながら胸の乳首を唇に含んだ。 「や、だぁ! 待って。待ってぇえ!」  思いのほか大きく強いその声に、等は蛍から顔を離した。 「どうしたの? 大丈夫?」  見ると、うっすら涙まで浮かべている。  顔は耳まで赤く、はぁはぁと息が上がっている。 「ごめんなさい。僕、初めてなんだ。だから、怖い」 「え……?」  慣れてない、とは思っていたが、まさか本当に童貞だったとは!  等は眼を円くしていた。

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