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エピローグ

「どういう風の吹き回しだか?」  等はキッチンでサンドウィッチを作りながら、首をかしげていた。  翌日から蛍が書斎に籠り、猛然と小説を書き始めたのだ。  何も食べないのは身体に悪いから、と片手間でも口にできるものを用意した。 「蛍、夕食だよ」 「ありがとう。そこに置いて」  PC二台にタブレットまで起動させ、もくもくとキーを打っている。 「お風呂は?」 「今日は、入らないと思う」 「汚いぞ」 「めどが付いたら、入るから」  そんな会話をしながらも、眼はスクリーンから離さない。  そのうち何か話しかけても返事もしなくなったので、等はそっと書斎から出た。 「凄い集中力だ。本領発揮だな」  さて、傑作が書けるかどうか。  しかし等は、少しも心配していなかった。  粟生先生の実力を、信じていた。

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