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 かじりつくように口づけられて、あとはもう本能で貪りあった。  何度もキスを繰り返しながら、吐息を交換し合う。触れた舌を絡めあって、互いの手で体を探り合う。  孝弘の大きな手が背中から肩をなで、また背中におりてきて、腰から先の丸みをおびた臀部に触れる。  首筋に唇がおとされ、鎖骨から肩、そして胸の先にも口づけられた。押しつぶすようにこねて吸われるときゅんとした快感を感じる。  その刺激はダイレクトに下半身に伝わって、あっという間に発情した。  興奮をたくわえた性器に直接触れられるともう隠すこともできず、祐樹は孝弘に抱きついてキスをして愛撫をねだった。  孝弘の手でどんどん体温が上げられる。 「祐樹」  名前を呼ばれて、その声にこもった熱がうれしいと思う。 「気持ちいい? いやじゃない?」  ここまでしておいて、いまさら訊くのか。  くすりと笑いがもれた。 「やじゃないよ、すごく気持ちいい。おれも触っていい?」 「ん、してよ」  背中に回していた手をほどき、そっと肩から胸、腹へとなでおろしていく。  滑らかな筋肉のついた体にドキドキした。そのまま手を下してすでに猛っている性器に触れた。  手に包み込んで愛撫するとますます硬くなっていくのに興奮した。 「孝弘、ここ、好き?」 「うん。よすぎる、ヤバい」  祐樹のやり方で孝弘が気持ちよさそうな顔をするのがうれしい。  単純なことだ、と思う。触れば気持ちいい、ただそれだけのことならあれこれ悩まないのに。  お返しとばかり孝弘の手が遠慮なく動いて、祐樹の弱いところに次々触れてきた。 「ふっ、んん…あっ」  こらえきれず、鼻から抜けるように声がもれた。  互いに触りあって高めあう。小さく口づけをしてぴったり体をくっつけて、互いの興奮が伝わるのを感じる。  この体が好きだと触れた場所から流れこむような気がして、手でも唇でも体中に触れた。  濡れた音が立ち、それも刺激になって二人を煽る。 「あ、あっ、待って。そんなに、したらっ……あっ」  続けざまに祐樹に声を上げさせながら、孝弘は手のなかに包んだ熱を熱心に愛撫した。とろりと溶けそうなくらい体が熱くなっていて、祐樹はゆるく首を振った。 「あー、ちくしょ、終わるのもったいないな」  あと少しの刺激で解放されるというところで、手をとめて孝弘がつぶやく。  お互いにぎりぎりまで追いつめられていて、でも快楽を引き延ばしたくてこらえている。 「も、いきたい」  祐樹の切羽詰まった声に、孝弘の我慢が切れた。 「いいよ、一緒に」  キスを外さないまま、互いの手のなかでほぼ同時に終わりを迎えた。びくびくと跳ねる体をいとおしいと思う。  唇を外して祐樹は甘えるように孝弘の肩に額をこすりつけた。大きな手が祐樹のまるい頭を包み込むようになでる。  荒い息がおさまるまで、一言も話さずそうして固く抱きあっていた。

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