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22-4
かじりつくように口づけられて、あとはもう本能で貪りあった。
何度もキスを繰り返しながら、吐息を交換し合う。触れた舌を絡めあって、互いの手で体を探り合う。
孝弘の大きな手が背中から肩をなで、また背中におりてきて、腰から先の丸みをおびた臀部に触れる。
首筋に唇がおとされ、鎖骨から肩、そして胸の先にも口づけられた。押しつぶすようにこねて吸われるときゅんとした快感を感じる。
その刺激はダイレクトに下半身に伝わって、あっという間に発情した。
興奮をたくわえた性器に直接触れられるともう隠すこともできず、祐樹は孝弘に抱きついてキスをして愛撫をねだった。
孝弘の手でどんどん体温が上げられる。
「祐樹」
名前を呼ばれて、その声にこもった熱がうれしいと思う。
「気持ちいい? いやじゃない?」
ここまでしておいて、いまさら訊くのか。
くすりと笑いがもれた。
「やじゃないよ、すごく気持ちいい。おれも触っていい?」
「ん、してよ」
背中に回していた手をほどき、そっと肩から胸、腹へとなでおろしていく。
滑らかな筋肉のついた体にドキドキした。そのまま手を下してすでに猛っている性器に触れた。
手に包み込んで愛撫するとますます硬くなっていくのに興奮した。
「孝弘、ここ、好き?」
「うん。よすぎる、ヤバい」
祐樹のやり方で孝弘が気持ちよさそうな顔をするのがうれしい。
単純なことだ、と思う。触れば気持ちいい、ただそれだけのことならあれこれ悩まないのに。
お返しとばかり孝弘の手が遠慮なく動いて、祐樹の弱いところに次々触れてきた。
「ふっ、んん…あっ」
こらえきれず、鼻から抜けるように声がもれた。
互いに触りあって高めあう。小さく口づけをしてぴったり体をくっつけて、互いの興奮が伝わるのを感じる。
この体が好きだと触れた場所から流れこむような気がして、手でも唇でも体中に触れた。
濡れた音が立ち、それも刺激になって二人を煽る。
「あ、あっ、待って。そんなに、したらっ……あっ」
続けざまに祐樹に声を上げさせながら、孝弘は手のなかに包んだ熱を熱心に愛撫した。とろりと溶けそうなくらい体が熱くなっていて、祐樹はゆるく首を振った。
「あー、ちくしょ、終わるのもったいないな」
あと少しの刺激で解放されるというところで、手をとめて孝弘がつぶやく。
お互いにぎりぎりまで追いつめられていて、でも快楽を引き延ばしたくてこらえている。
「も、いきたい」
祐樹の切羽詰まった声に、孝弘の我慢が切れた。
「いいよ、一緒に」
キスを外さないまま、互いの手のなかでほぼ同時に終わりを迎えた。びくびくと跳ねる体をいとおしいと思う。
唇を外して祐樹は甘えるように孝弘の肩に額をこすりつけた。大きな手が祐樹のまるい頭を包み込むようになでる。
荒い息がおさまるまで、一言も話さずそうして固く抱きあっていた。
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