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第31話 隣人

レイと優一との収録を終えた大河は、本日最後の仕事、シャッフルユニットの打ち合わせだ。あの事件からやっとシュウトの怪我が治り、練習が再開する。 「お疲れ様です」 「大河さん、お疲れ様です!」 「お疲れ様。よろしくね」 何も変わらない雰囲気に少しホッとして椅子に腰掛ける。シュウトは淡々とアレンジの話をし始め、まずはサナとシュウトが録音ブースに入った。 「…すげぇ…」 いつも感情を出さないシュウトは歌になったら化ける。情熱的に歌い上げるところに新人のサナは圧倒され、デュエットではなく、シュウトのコーラスみたいになっている。 「大河くん、今のどう?」 「あ〜…。サナ、」 「はい!分かってます!すみません!シュウトさんの歌に聞き入っちゃって!もう一度お願いします!!」 サナが勢いよく頭をさげると、シュウトは嬉しそうにほほえみ、サナにアドバイスをし始めた。 (本当に、美しい顔だな。) 大河はぼんやりとそのやりとりを見ていた。シュウトの高音はどこまでも伸びる。大河はその技術を参考にしようと真剣にみつめた。 バテバテのサナと交代し、次は大河がブースに入る。シュウトの技術を見るために歌詞は頭に入れてきた。しかし、近くで聞くととんでもない迫力にやっぱり圧倒された。 (こんなに凄いのか!) 考えてみれば、世間で天才と言われる歌声のタカと同じグループだ。その中でも目立つパートを任されているシュウト。凄くない訳がないのだ。大河は曲をストップさせ、その場でたくさん質問をした。 「ここの出し方は、どっちがいいですか?」 「シュウトさん、今のもう一度お願いします」 「ブレスはここよりも、こっちがいいですよね」 全部吸収しようと、たくさんメモを書き、感覚を掴むためすぐに実行する。するとシュウトがクスクス笑い始めた。 「シュウトさん?」 「いや?大河くん、可愛いね。全部伝えたくなっちゃう。」 ふわりと頭を撫でられて、予想外の行動にドキッとする。 「やっぱ教え子なだけあるね。タカと同じ。天才なのに努力家。君は伸びるよ。」 「あ、ありがとうございます。」 分からないところはすぐに聞け、メモを残せ、感覚をすぐに掴むように実践しろ、タカが何度も何度も言ってきたことを無意識にやっていて染み付いていた。 「タカもね、練習生の時からこんな感じ。いい歌い方の人を見つけては先輩たちに教えてくださいって。今でも僕たちに質問ぜめだよ。」 音楽に妥協しないタカらしく、想像がついて思わず笑うと、シュウトが目を見開いたあと、目が変わった。 「綺麗に笑うんだね、大河くんって」 「っ!?そんなことないです!あ、あの、ここ!ここ教えてください!」 「まだかかりそうだから、サナちゃんは先に解散しようか。」 「いや、大丈夫です。ここだけで、いいので」 「本当?大河くん、僕の技術知りたくないの?」 大河は焦っていた。この目をいろんな人から向けられたことがあった。技術は知りたい、でもと頭が警鐘を鳴らす。 (嘘だろ、この人) ブースの向こうのサナは電話が来たのか、少しお辞儀をしてスタジオを出て行ってしまった。大河は焦りを見せたらダメだと、平静を装ってペンを取ろうとした。 カタンッ 「んんっ!っ、ふっ…ーー」 無情にも転がっていくペン。顎を掴まれ綺麗な顔が一瞬でピントが合わなくなる。舌が入ってこようとするのを必死で阻止し、後ずさるも壁に追い込まれた。 (こいつ!レイのこと懲りてないな!?) 怒りのスイッチが入った瞬間に唇をはなされ、今度は首筋や耳に舌が這う。 「ンッ、やだッ、シュウトさんっ!やめてくださいっ」 サナがいつ戻ってくるかも分からないのに、レイのメンバーである大河に手を出すことが信じられない。 「声、可愛い。耳が気持ちいいの?」 「気持ちよくないっ、本当にやだ、シュウトさん、あんた、何考えてんのっ」 「天才を抱きたいなあって、タカには振られたから」 「んっ、やだ、っ、」 「天才のタカが惚れた天才…それが君でしょ?」 「知らないっ!俺は、天才なんかじゃないっ」 必死で抵抗するも、服の中に手が入ってくる。レイをボロボロにしといてなお、こんなとをしてくるなんて理解ができなかった。しかも、天才を抱きたい、っていう理由だけ。メンバーのタカに振られたってことは誰にでも手を出す可能性がある人なのだ。 (にしても、復帰初日でこれはありえねぇよ!) 「やめろって!!」 腹から声を出して叫ぶと、やっと動きが止まった。息荒くしたままでダサいとは思いつつもギリッと睨みつけた。 「あんた、うちのメンバーに何したか分かってんのかよ?あんなにボロボロにしといて同じことしてんじゃねーよ!」 「んー…。行為は同じかもだけど、感情は違うよ。レイには執着、君には興味、かな」 「ふざけんなっ!!こっちが仕事だと割り切って対応してんのに!あんたはプロ意識ないのかよ!」 大河は体をはなして、片付けをし始めた。情け無く震える指先に舌打ちした。ライブまでは一緒に取り組まないといけない、またワガママを言って伊藤に迷惑をかけるわけにはいかない。そして、シュウトのことは、やっと幸せになったあの2人を巻き込みたくはない、と大河はぐっと堪えてシュウトと向き直った。 「シュウトさん、俺はシュウトさん自身に全く興味ありません。俺が興味あるのは、シュウトさんの歌い方や技術、見せ方です。ライブまでに全部盗んでやるんで、それまではよろしくお願いします」 「…ふふっ。大河くん本当可愛いなぁ。うん、よろしくね?なんでも聞いてね」 ふわりと笑う顔が憎たらしいくらい綺麗で目を逸らし、ありがとうございました、と頭を下げた。戻ってきたサナにも片付けをさせ、サナの手を取ってスタジオを出た。 「かーわいー」 シュウトは新しいオモチャも見つけた子どもみたいに笑った。 「大河さん…?何かありました?」 「…別に?」 「手、震えてますよ。体調悪いですか?」 手を引かれたまま付いてきていたサナが心配そうに声をかける。まだ震える手に気付かれ、パッと手を放す。 「ごめん、心配かけたな。次もよろしくな、お疲れ様。」 顔を見られたくなくてすぐに後ろを向いて逃げるようにその場を去った。 後ろからお疲れ様でした、と声が聞こえて、手を挙げて応えた。 こんな日に限って寮ではない、一人暮らしの部屋に帰らなければならない。送迎も伊藤が別件のため他の社員だった。 モヤモヤしたまま部屋にいても、何をしたらスッキリするか分からない。全てをかき乱されたシュウトの言動は何一つ理解できない。 (青木も言ってたな。たしかに歪んでる) 大河はあのシュウトの目を思い出してベッドにうずくまった。怖い、怖い、と震えが大きくなる。触られたところが気持ち悪くて急いでシャワーを浴びて、冷水だろうが関係なくゴシゴシと洗う。 (ムカつく、ムカつく、ムカつく) イライラを自分に向けて触られた首筋に爪を立てる。 「大河さーん?お風呂ー?」 誠の声がしてビクッとなった拍子に、近くにあったイスを蹴って大きな音が鳴った。 「大河さん大丈夫!?うわっ!ちょ…っ冷たっ!」 キュッと止まった冷水にハッと顔をあげると、そこにビックリした様子の恋人。誠はバスタオルで大河を包んだ。 「どうしたの?こんな寒い日に冷水だなんて」 「まこっ!!まこっ!!」 「首赤くなってる…。」 誠の服が濡れるのも気にせず、思いっきり抱きついた。大きな身体が温かくてひたすら名前を呼んだ。誠は服を脱いで風呂場に入って、温度を調節した。湯気が出てきて冷えた肩にそっとかけると、少しほっと息を吐いた。誠にぎゅっと抱きついたまま離れないのを心配して、そのままに温めることに専念した。 「マコ、もう熱い。出たい」 「温まった?よかった。出よっか。」 タオルで拭いて大河の髪をドライヤーで乾かすとネコみたいに嫌がりながらも、誠にゴロゴロとくっついていた。 リビングに着くと誠が暖房を入れ、2人でソファーに座る。 「大河さん、大丈夫?ごめんね、さっそく勝手に入ってきちゃった」 「いや、いい。いつでも来てくれていいから。」 「ありがとう」 「今日、マコが来てくれてよかった」 素直に言うと、誠は心配そうに頭を撫でた。大河は大きな目を潤ませてまた誠に抱きついた。 「マコ、シュウトさんマジで怖ぇよ」 「え…?復帰したんだっけ?」 「あぁ。今日からな。青木から聞いてたんだ、あの人はおかしい、歪んでるって」 大河は青木の叫びや殴っている時を見ている。あの時の青木の恐怖を身をもって体感した。 「どうおかしいの?」 「分からない。とにかく、普通じゃ考えられない。今度は俺に手を出してきた。」 「ええ!?」 誠はガバッと大河の顔を見た。大河は目を合わせられず下を向いた。 「ど、どういうこと!?大河さん大丈夫!?」 「大丈夫。ライブまでの我慢だ。これ以上レイや伊藤さんに迷惑とか心配かけたくないから、マコだけに…。キスしかしてねぇから、大丈夫だから。」 「無理しないで。怖かったね。」 誠はぎゅっと抱きしめて背中を撫でた。その温かさに大河はポツリポツリと話し始めた。 「俺めっちゃ悔しくて。あの人、全く反省してないし、俺がマコと付き合ってるのも、お前の薬の件で知ってるのに。あの人にとっては関係ないことなんだ。」 「そんな…」 誠は絶句していた。反省していないどころか、同じグループのメンバーに、しかも、恋人がいることも知っていても手を出した。 「あの人は、自分の中で興味を引いた人なら誰でもいいんだ。今は、天才を抱きたいらしい。」 「天才…大河さんのこと…」 「タカさんにフラれたから、俺らしいけどな。怖くないか?タカさんにもそんな事言ってんの?って…」 「…大河さんが心配」 誠は不安そうに大河の髪を撫でた。その手を取って指を絡ませた。 「俺さ、負けないから。絶対あの人から技術全部盗んでやる。思い通りになりたくないし、やりたい放題してるのも許せない。自分で乗り越えたいんだ。」 「うん!大河さんならできる!でも、心配だから俺には頼って?環境も変わったし、今からストレスが来るかもしれないから。」 「お前が隣にいるって思ったら安心だよ。」 絡ませた誠の左手にはあの指輪。大河はその指輪にキスをして見つめた。 「マコ、キスして。あの人のをお前が消して」 「大河さん…、俺、大人しく聞いてたけど、本当はね…んちゅっ…っ」 「んっ…ふっぅ、んっ…、ふぁっ…ん?、本当っ、は…?」 「嫉妬で頭おかしくなりそうっ」 「ンん!、っあ、ん、ふぅっ」 その言葉の後、食べられるんじゃないかというくらい激しいキスに呼吸が追いつかない。少し唇がはなれると必死に呼吸をする。先ほどの心配そうな雰囲気はなく、怒りがにじみ出ていた。 (まこ…?怒ってる…) 息を殺して落ち着こうとしてるのが分かる。葛藤しているのは、いつもの優しく寄り添って支えたい、という誠と、本能で恋人に手を出されて相手を殺してやりたい衝動の誠。必死に指輪を握ってるのを見て、大河は後ろから抱きついた。 「いいよ、マコ。俺に全部ぶつけて」 「っ!!!」 目を見開いたかと思ったら抱き上げられ、ベッドへと投げられる。すぐに両手を抑えられ、爪を立てて赤くなった首筋にチリッと痛みが走る。 (痕は困る…けど、仕方ないか…) 大河は冷静だった。誠がもう理性を失って必死で求めるのを黙って見ていた。 「大河さんは、俺のっ」 「っ、あぁ。もちろんだ」 「誰にも、触らせたくないっ!」 「ごめん」 「どこにも行かせたくない、ずっと、俺だけのそばにいたらいいのにっ!他の人にも見られないところに」 「マコ…」 「誰にも、絶対、誰にも渡さないよ」 目が合うと獣のような目だった。ゾクっとする大河は、誠になら食われてもいいと、微笑んだ。 「俺はマコのものだ」 「大河さんっ!!」 「っひあぁ!っ、待って、急に!」 大河の少し反応したものを、誠がスパートをかける時ぐらいに激しく吸いはじめた。ビクビクッと腰が浮き、思わずシーツを握った。誠は獣の瞳で目を逸らさない。大河がよそ見してないかをギラギラと確認している。視界がぼんやりとして、その後目の前がチカチカと光が飛ぶ。 「っぃあああ!マコぉっ!まこっ!ぅああ!で、るぅ、マコぉお!」 「ダメだよ、まだ」 「無理ぃ!!もぉおお!出ちゃうっっ!っああ!ダメっ、でる!」 「大河さん?」 「っひぃっ…ごめん、ごめんってぇ、マコ、お願いっ!出したい」 抑えられているわけではないが、許しがないと、と大河は必死に謝罪と懇願した。誠はあの目のままじっと見つめて、手は激しく先端を刺激する。大河は本格的に泣き始めるがそれにも動じることなく見つめる。 「まこぉ!まこっ、助けてっ、もぉ、出したい!お願いっ、ッッーー!っあぁああああ!」 許しがもらえないまま、身体が限界に達した。勝手に跳ねる身体をそのままに、荒い呼吸をなんとか落ち着かせようとするも、大河はまた泣き叫ぶ。 「っぃやああぁあああ!!やだっ!まだっ、触らないでっ!!」 「いいって言った?」 「ごめっなさいっっ、もぉ、やだぁあ!っああああー!っきゃ、ぁあうっっ、っぁう」 「シュウトさんにもこんなの見せたの?」 「見せ、てないっ、からっ!もぉゆるしてっ!」 「ダメ」 「っぅ、ぁ、ぁっ、ぁ、っ、ぁあっ、まこ、なんかっ、やだ、っあ、ヘンっ、、」 「……」 「っぁああ、なんか、やだ!っ、ぁああ!やだ、やばいっ!!まこ!!まこぉ!!やめてっ!!」 モゾモゾと何かが来る感じがして誠の腕を必死に掴み、止めようと爪をたてるも、誠は目を見つめたまま手の動きを強くする。大河は自分の身体がコントロールできずひたすら目の前の男に縋った。 「お願いっ!まこぉ!まこっ!クるっ、あ、もう、怖いっ!!あ、っ、っ、っ、」 「大河さん、いいよ」 「っああ!!!」 プシュプシュ 聞いたことない音とともに薄い水みたいなものが大河の胸までかかる。じんじんと痺れるみたいに今までにない絶頂感と疲労感。 どこにも力が入らず、まだ勝手に痙攣する身体を放置した。 「あ…大河さん…大丈夫…?」 「はぁ、はぁ、はぁ、…んなわけねーだろバカ。」 「だよね…ごめんね」 「俺の方こそごめん。勝手に他のやつに触らせたから。」 「ううんっ!大河さんは悪くないよっ!でも、本当に心配だよ…大河さんが取られそうで」 我に返った誠は不安そうに大河の身体を拭き始めた。大河は安心させるようにベッドサイドの引き出しからローションとゴムを取り出す。そして、指輪を薬指に通すと左手を顔の横に持ってきてニカっと笑った。 「俺、お前のだって言ってんだろ?これが証拠」 嬉しそうに指輪を撫で、そっとキスをする。 「俺はこれを貰った時に誓ってる。俺はずっとお前のそばにいる。正直、お前以外本当に興味ないし。逆にマコも繋がれてるってわかってる?」 「もちろん!俺、ずっと大河さんしか見てないもん!繋がれてるの、嬉しいし」 「ドMかお前」 「気持ちの問題だよ!大河さんのバカ!ドMは大河さんでしょ?」 「ドMじゃねーよ!お前がヤってる時だけドSすぎるんだよ!」 大河はさっきの誠を思い出して吠える。誠は自覚がないのかきょとんとした後にニヤリとした。大河が出したローションを手に取ると、大河はギクリと固まった。 「確かめてみる?」 「いや…ははは。いい。俺、ドMでいいから。」 「大河さん、おいで?これからは2人きりだから思いっきり声出せるし、なんでもできるね?」 「はっ?!なんでもって何だよ!」 「言ったら面白くないでしょ?」 「ダメだ、言ってからじゃないとしないからな!お前本当、変態すぎるんだよ!このムッツリスケベ!」 「大河さんがエロいから悪い。男はみんなスケベなの。じゃあ今日は後ろからしよっか」 大河は瞬時に顔を真っ赤にして目を見開いた。 「何でそんな事言うんだよ!」 「え?言ってからじゃないとしないって言ったのは大河さんでしょ。はい、言ったからほら四つん這いになって」 「〜〜〜!もうお前嫌だ」 「照れるなら言わなきゃよかったのに〜。もう可愛くて仕方ないよ。どこまで好きにさせるの?」 「うるさいもぉっ…っあ、んぅ…っ、」 ローションをまとった指がゆっくりと入ってくる。久しぶりの行為に少しきつくなっている。何度もローションを継ぎ足して少しずつ指を増やす。その度にいつもは抑えていた声を出して反応する姿に、誠はどんどん息が上がる。 「っは、っは、ぅあっ、あ、ンッ」 ビクッとしなる背中と、パサリと揺れる黒髮が誠の興奮を最大にする。3本目もゆとりが出てきた頃、大河が後ろ手に誠の手を掴んで振り返った。 「っ!!」 眉を下げいつもの大きな目はとろんと半分だけ開き、生理的な涙がまつ毛を濡らし、真っ赤に上気した顔と、唾液で濡れた唇は破壊力抜群だった。 「まこ、もぅ、きて。」 大河も理性がとんでいて腰を振ってのオネダリに誠は目眩がした。息を荒くしたままゴムを付けパクパクと待ち望むそこに入れ込んだ。 「っぁあああああっ!っはぁ、っぁああ」 「っは!っ、っく、っぅ、っはぁっ」 「ぁああっ!っあぁあ!」 いつもは聞けなかった声に、誠は大河よりも早く絶頂を迎えそうで歯をくいしばる。大河が身体を支えられなくなり、上半身から力が抜けて、角度が変わるとイイ所に当たったのか、中をぎゅうっと締め付けられる。 「っっくぅっっ!!…っは、は、は、」 「んっ、んっ、ぁ、まこ、イった?」 我慢できずにゴムの中に欲を放つ。呼吸を整えているが、大河はまだ達していないことに気付き、誠は顔が赤くなった。 「マコ、気持ちよかった?」 「うん…ごめん、大河さんまだなのに」 「いいよ。俺、さっき出したし。」 「だーめ」 ゴムを取って、大河を仰向けにすると、透明なしずくで濡れている。胸の粒に吸い付きながら、また硬くなったものを挿しこんだ。 「っぁああ!お前っ、うそだろっ、もぉいいってぇ!」 「っは、っ、満足させなきゃダメでしょ」 「満足してるってばっ、っぁああ、ダメ、もう、すぐ、出ちゃうっ」 「まだ頑張って」 「っあ、っああ、っはぁ、っああ」 「ひくひくしてる、イきそうだね」 「あぁあっ、っああ、っくぅん、っぅ、あ、あ、あ、あぁっ、あぁああああーーっ!」 「ぅあっ、ーーッ!!っ、はぁー、はぁー、すっごい締め付け」 目を閉じて余韻に浸る大河から出て、誠は大河の顔中に何度もキスをする。愛おしくて仕方なくいつまでもキスを送った。 「ふふっ、マコ、くすぐったいよ」 「愛してる、大河さん、好き、大好き」 「俺も愛してるよ」 「はぁ…俺世界一の幸せ者だ!大河さんを一人占め!」 「はは!…うん、幸せだな…マコといるだけで幸せなことがいっぱいだ。ありがとな」 誠はすっかりご機嫌になり、大河の世話を甲斐甲斐しく行った。誰の許可も取らず、自由に抱き合って、そのまま眠ることがこんなにも幸せなのかと、2人はくっついたまま朝まで眠りについた。 「シュウト、ここの歌い方もう一回聞かせて?」 「ふふっ、本当そっくり」 「ん?誰に?」 新曲の用意でレコーディングしているブルーウェーブはスタジオにいた。タカはシュウトの歌い方におっ!、と反応しすぐに譜面とペンを持ってとなりに座った。 「タカの教え子」 「教え子?」 「大河くん。タカみたいに今のところもう一度お願いします、とか、メモもするし、すぐ実践するし」 「へぇー。」 「あれ?興味ない?」 「やり方なんか人それぞれだろ。そんなのいいから早く」 シュウトはクスクス笑ったあと、歌い始めると真剣な眼差しがやっぱり似ていて吹き出した。 「なんだよ?真面目にやれよ」 「タカも可愛いね?」 「は?気持ち悪いこと言うなよ。なんかお前変だぞ。どうした?」 「タカ、僕ね、今天才に興味があるんだ。」 「へぇー。」 「抱いたらどうなるんだろ」 ガタンッ 勢いよくタカは席を立った。目を見開いて固まってるのを見て、さすが察しが早いと笑う。 「お前、次は大河か!?ふざけんな!」 「あれ?僕は天才って言っただけ。大河くんとは言ってないよ?」 「なんでお前は…早く彼女と話せって言ったろ?まだなのか?連絡はしたのか?」 怒っていたはずなのに、やっぱり心配して質問してくるタカにシュウトはやっぱり優しいな、とニヤリと笑った。 「タカ。タカは認めてないからピンときてない?」 「は?」 「僕はタカも天才だと思ってるよ」 落ちそうなほど目を見開き、タカの持っていたペンが落ちた。 「っっやめろ!!ーーお前、どうかしてるぞ。俺たちはずっと一緒にやってきただろ。こんな事でぶち壊したいのか!?こんな冗談二度とすんな!いいな?!」 唇を腕で拭ってタカが怒鳴る。シュウトはタカの腕を握り、タカが弱い、助けてほしいという顔で見上げた。 「タカ、僕は寂しいんだ」 「っ!?…その顔やめろ。そうやってレイにも縋ったのか。」 「僕を理解してくれるのはタカだけだよ。知ってるでしょ?」 「っ!!」 「おまたせ〜!どう新曲?」 カナタの元気な声でシュウトの表情もいつもの無表情に変わった。今の表情も演技だったと察したタカは、舌打ちしたあとバッグと譜面を握りしめた。 「悪い!今日は帰る!シュウト、次同じことしたらぶっ殺すぞ!覚えとけバカ野郎!」 バタンッと大きな音を立ててスタジオのドアが閉まる。カナタはきょとんとしたままシュウトを見ると、楽しそうに笑っていた。 「啖呵きるところもそっくり」

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