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第99話 レクチャー

最近、タカさんが可愛くて仕方ない。  「もう!できないっ!」  大きな窓ガラスを全身鏡にして、優一はタカの振り付けの練習に付き合う日々だが、こうして駄々をこねてしゃがみ込んでしまう。  大量の汗をかいて、本当に辛そうなのに、愛しくてたまらないのだ。  「タカさん、頑張って!今日はここまでできたよ!Aメロまであと少し!」  「もうしない。俺は恥を晒したく無い!」  「タカさん、ほら、立って」  「お前スパルタだな…はぁ…もう一回教えて」  唇をきゅっと結んで、悲しそうに見つめてくるのが可愛い。 天才と言われ、音楽に関しては向かうところ敵なしのタカが、ダンスだけは致命的に苦手だった。  「うぅ…どうなってんのお前の身体。」  「どうって、こうしたら右足に体重がのるでしょ?そこから…こう」  「左足に体重が乗る人は?」  「右足に乗せてくださーい!」  だんだん不機嫌になってくると文句が増える。この年からダンスなんてふざけてる、翔太さん覚えとけよ、と恨み節ばかり。  「優一、もう今日は無理!最初やったの思い出せない」  汗だくのまま風呂場に行ってしまったのを苦笑いで見送った。  (ん〜…教えるのって難しいな)  優一は誠に教える時を思い出してみた。  (あ!擬音でやってみようか!)  「タカさん!」  「おわぁ!?ビビった!なんだ、どうした?」  「擬音でやってみよ!来て!」  「バカ!全裸で何させるんだよ!」  咄嗟にタオルで隠したまま、優一に手を引かれたまま窓の前に立った。  「カウントじゃなくて曲と覚えよ!」  「??」  「ぐーんとそって、パッ!トトンがトン!」  「…ぐーんそって、ぱぁ。ととんがとん?」  「そそそ!いいね!」  思ったよりすぐに出来たのに嬉しくなって、次はね、と言うとタカが待ったをかけた。 「服、着てきていい?」  「あっ!ごめん」  「今更赤くなんなよ」  言われて目のやり場に困って目を逸らした。  また服を着てきたタカは先ほどよりは前向きだった。  「虫を踏み殺して〜、その虫を道路で拭く」  「恐ろしい例えだな!あははっ!めっちゃダサい振り付けじゃん!」  タカはだんだん楽しくなってきたのか、爆笑しながら取り組んでくれてAメロまでできた。  「わーい!タカさん!できたぁ!」  「ん〜〜!ありがとう優一!」  「お風呂行こ!」  「頑張ったからご褒美くれる?」  「んもー、しょうがないなぁ」  子どもみたいに笑って、お風呂場に引っ張られる。キスをしながら脱がされて、頭や身体を洗ってくれる。  「んぅっ!洗ってよぉ、ちゃんと」  「ごめんごめん。」  たまに悪戯してくるタカに笑ってキスをする。タカとのキスは本当に気持ち良くて、優一の癒しでもあった。 「今日はバラ?」  「そうだよ。何でだと思う?」  「分かんない」  「俺たちが初めて繋がった日だよ。だから情熱的なバラにしようと思って」  「え?そうだっけ?」  「ほら、サナのデビューの日だろ?」  「そっか。」  「ドキドキしたよ、お前の気持ちに気付いてたけど違ったらどうしようって。お前が選べ、なんて言ったけど青木の手を取ってたらこんな幸せもなかったんだと思うと…」  「ンッ…タカさんッ」  後ろからキスされて、タカの右手は優一の熱を刺激する。  「はぁ、っぁ、っぁ、タカさんっ」  「好きだよ、優一。そばにいてくれてありがとう」  「んぁっ、あっ、んぅ、ふぅっ」  「選んでくれて、ありがとう」  「タカさんっ、出ちゃい、そお、お湯、汚れちゃう」  「優一がいてくれたから…俺、幸せだよ」  「タカさんっ!タカさんっ!」  「ずっと、生きたいと思うよ」  「っ!!!」  その言葉に驚いて振り返った。優しい笑顔に堪らなくなって向き合って抱きしめた。  「タカさんっ!」  「愛してる。ずっと一緒に生きて行こうな」  「タカさんと、生きていくっ!ずっとそばにいるよ!」  嬉しくて、タカから「生きたい」を聞いて感情が昂る。イく直前だったのも忘れてひたすら唇に噛み付いた。一緒に呼吸しているみたいに、のぼせそうになるまでキスをした。  「ん、優一、唇腫れちゃうよ」  「好きっ、好きだよタカさん」  「踊れないダサい俺でも?」  「可愛いから好きだもん」  「可愛くねーし。はぁ…ずっとカッコイイ姿しか見せたくなかったのに」  「ふふっ、どんなタカさんだって愛しいのには変わらないもーん」  「はぁ…ありがとう。幸せすぎて泣きそう」  優一はタカの首筋や鎖骨に甘噛みした。  「タカさんの首綺麗」  「あ、マコちゃんにも言われたよ」  「ここから、ここにかけてがさ…」  「ん…優一…」  「セクシーだよね…」  舌で愛撫すると、気持ち良さそうに目を閉じた。その顔が優一にヒットして、強くタカの熱を握り、勢いよく扱いた。  「ぅあっ!?っ、優一!?っぁ、っっ!!」  「タカさん、俺にしか見せない顔、見せて」  「はぁっ!んっ、!ゆ、いち!っん、はぁっ!!」  「上がってタカさん、のぼせちゃう」  とろんとした顔のまま、タカを浴槽から出して、椅子に座らせると、勢いよくしゃぶりついた時に大きなタカの声が反響した。髪の毛を握られるのも堪らなくてぢゅるぢゅると吸い込む。  「ぅあっ!!っ、ぁ、やばっ!優一っ!出すぞ」  「んっぅ、ぢゅるっ」  「ーーっ!っ!!!くぅっーーっ!!」  ドクドクと流し込まれるのを、丁寧に飲み込んだ。  顔を上げると、エロい顔で頬を撫でてきた。  「よく出来ました。」  「えへへ、気持ちよかった?」  「最高」  「ん、良かった。」  「抱きたいよ優一。いい?」  「ん、ベッドいこ?」  優一はタカを自分の部屋に誘い、ベッドに押し倒した。驚いた顔が新鮮で、上から唇を重ね、右手でタカの熱を愛撫する。  「っ、っん、ん」  声が漏れるのに興奮して、左手でタカの前髪を掻き上げて見つめる。  「タカさん、可愛い」  「っ!なに…」  「…抱いてみたい…」  「えっ!!?」  「ダメ…?」  首筋にキスしながら、熱を高めながら聞く。タカの目が泳ぎ、困ったようにそらされる。  「タカさん…」  タカの胸の粒にしゃぶりつき、自分の熱をタカの熱の上から腰を振って刺激する。  「タカさんに…入れてみたいっ」  「優一…」  「タカさんで、初めてしたい」  「……いいよ。ちょっと、待ってろ」  タカは覚悟した様子でまた風呂場に行った。優一は我慢できなくて一人で熱を刺激しては甘い声を漏らした。  (タカさんを抱きたい…)  今まで、誰かを抱きたいなんて思ったことがなくて初めてだった。自分の初めてはタカとしたいと本気で思った。想像しただけでドキドキして、タカが来るのを待った。  「……お待たせ」  「タカさん!早くっ!もぅ、待てないっ」  「がっつくなよ…俺もソッチ側初めてなんだから。」  緊張して萎えてるタカの熱を口に含み、喉の奥まで迎えると苦しくて、気持ち良くて、頭が沸騰したように熱い。  「はぁっ、ん、優一っ、なんで、こんな、興奮してんの」  「んぅぷっ、んっ、んぅ、」  必死に喉を刺激して堪らなくなる。そのままタカをベッドに寝かせて、そっと穴に指を入れてみる。風呂場で慣らしてきたのか、思ったより入って安心した。  「はぁ、はぁ、タカさん、タカさん」  「頼むからハマるなよ…?俺はお前を抱きたいんだから…」  「気持ち良くはできないかもっ、おしえてっ、」  「指…入れてみて、奥で、少し、広げてみ?」  「はぁ、んっ、こう?大丈夫?痛くない?」  「ーーっ、っ、」  眉が下がり、目を閉じてしまった。  「タカさん…」  「いい…から、大丈夫、気にするな、…幅ができたら、指、増やせ」  「分かった、中、あったかいね、俺のもこうなの?」  「ーーっ、ーーーっ、っ、」  眉間のシワが凄くて、汗だくになっている。やっぱり萎えたままのタカに涙が出そうになる。  (気持ち良くしてあげられない)  「いいから!っ、気にすんなって!も、さっさと終わらせてくれっ」  少し泣きそうな顔に、優一は腰がゾクゾクと震えた。それが顔に出ていたのか、タカの目が見開いた。 「ゆ、いち、たのむ、ゆっくりな?ゆっくり」  引きつったように笑うタカも堪らなくて、首筋に噛み付いて、中の指を激しく動かすと、急にタカが肩を掴み、腰が跳ねた。  「ーーっああ!!」  驚いて顔を見ると、真っ赤になって目を閉じた。  「タカさん?」  「っは、っ、はぁ、はぁっ、うそだろ」  「ここ?」  「ーーっ!!ーんっ!!」  中が物凄く蠢き、はじめ、指にあたるシコリに、自分がいつもおかしくなる場所だと思った。ここにタカの指が入り刺激されるだけで堪らなくなるのだ。  「はぁっはぁっ、タカさん、っ、ん、ここ、気持ちぃよね?俺も、ここ、すき、タカさんっ、」  「も、早く、お前、抱きたいよっ、気持ち良くしてやりたいよ」  「今は、ダメっ、俺の、ばん」  「くぅっっ!っぁ、っん」  見たことないエロさに、優一は理性が飛んだ。自分の熱を擦り付け、本能で動く。タカが慌てたように引き出しからローションを取って、優一の熱と、自分の穴の奥に入れた。  「バカか、そのまましたら立てなくなるわ!」  「知らないもんっ!も、いい?タカさん?いい?」  「あーはいはい。童貞こわいな…」  「タカさん、俺のはじめて、もらって」  「俺のセリフだよ…やるつもりなかったけどな」  眉間にシワを寄せたまま、優一の腰を支えてくれる。優しさに嬉しくなって、そっと中に入れる。 「っ、っ、」  「ぁああ!やばぁっ!なにこれぇ!」  「っぁ、んっ、ん、っ、」  「ごめ、タカさんっ、」  「ーーっ!!っ!」  ゆっくり、と言われたのに、初めての感覚に腰がゾクゾクし、思いっきり突っ込んでしまった。苦しそうに息を詰めるタカを上から見下ろして、たまらない衝動に泣きそうになる。  (気持ちいい、気持ちいい)  手よりも、口よりも気持ち良くて、中がきつくて、身動きもとれないほど響く初めての快感。  (タカさんと、初めて…)  快感が止まらなくて恐る恐る腰を引くと、タカの手が腰を強く掴んだ。 「待て待て…まだ、まだ…だめだ」  「やだぁ…も、動きたいよぉ」  「頼むから…っ、まだ、苦しい、お前、分かってんのか?…俺も、初めて、なんだよ、っ、頼むよ、待って」  弱々しく話すのが、やっぱり腰にきて、タカへの愛情で溢れた。  (大好き、大好き!!)  「っぅああああー!っ!待て、待てって!」  「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」  「ゆ、いち!!」  「はぁ、はぁ、んっ、んっぅ、はぁ、で、そ、はぁ」  「話っ、聞けよっ、おいっ!中、出すなよ」  「っぁああ!っ、ダメっ!もぉ!イくっ!」  「うそだろ!待てっ、バカ!」  「タカさんっ!ごめ、間に合わないっーーっぁあああ!!」  「っぅーー…っ、」  初めての快感に、ドクドクとタカの中に注ぐ。気持ち良さに天を仰いで出し切るように腰を振った。周りが見えなくなるほどの衝動は今まで味わったことなくて、たまらない感覚だった。タカへの気持ちが溢れてタカに笑うと頭を叩かれた。  「おい、誰が中出ししていいって?」  「ごめんなさいっ、気持ち良すぎて、」  「ほら、もう、抜いて」  呆れたように言うのも、愛しくてニヤニヤしてしまう。タカは怪訝そうに見ていた。タカの熱は萎えたままで少し落ち込んだけど、何とか初めては終えた。  「全く。女の子だったらお前フラれてたぞ!」  「だって、気持ち良すぎたんだもん…タカさん、大好き!俺の初めてもらってくれてありがとう。」  「どーいましまして。まさか俺がソッチ側いく日が来るとはな…初めてにしては頑張ったんじゃないの?お疲れ」  「んふー!タカさん愛してるー!」  はいはいと言いながら風呂場に行ったタカを待つ間もドキドキする。 (またシたいって言ったらさせてくれるかなぁ?)  タカは優一に甘いのを、優一は分かっている。次のために練習しなきゃと、やる気が出た。タカを労る余裕が全くなかったな、と反省をして、うーん、と唸った。 「じゃー、お手本な。」  「うわっ!タカさん、おかえりなさい」  「ただいま。結構な量出しやがって…。ここからは俺の番な。コッチで良かったと思わせるから覚悟しな」  「タカさんのを参考にしまーす!」  「次はねーよ。あれは一回きり」  優しい顔で見つめられて、ドキッとした。ゆっくりと唇を重ねて舌を絡める。  (すごい…これだけでも気持ちいい…)  舌が首筋から胸の粒に移り、キツく吸われたり、コリコリと歯で刺激されると、たまらずに腰が浮く。 「はぁっ、んっんぁっ、んっ、気持ちい」  「優一の、乳首、真っ赤になってる。」  「ん、っぁ、言わないで」 「固くなってるよ。今シャツ着たから目立っちゃうな」  「やだぁ、っ、ん、」  恥ずかしくて顔が熱くなる。頬にキスされた後、足を開かされ目を閉じて快感を待つが、なかなか来ない。  「タカさん…?」  「ん?」  「シてよ」  「ふふっ、見て、ローションまだなのにびしょびしょ」  「やぁだ」  「覚えとけよ優一、こうして…キスしながら…」  「んぅ…ふぅ、んっ」  「ゆっくり入れていくんだ。」  「はぁうっ!!んっぅ、んっ、はぁっ、気持ちっ、気持ちぃよ」  「奥をな…こうして…広げるように回すと…」  ぐりっ  「っぁあああー!!んぁっ!!はぁっん!!んぅ、そこ!そこぉ!!」  「んで、ゆっくり二本目…」  「はぁ…んっ、んぅ、んぁっ」  「同じように回して…たまに、指をぐっと」  「っああああ!!っぁん!!」  足がガクガクと震え、堪らない快感に涙が溢れる。  (どうしようっ、気持ち良すぎてっ)  「こうして、気持ち良すぎて泣いちゃう子には…。…愛してるよ、優一。可愛い」  「っ!!!」  「俺だけに、見せて。お前の乱れる姿」  「っ!!!」  「あ…中しまった…かーわいー」  耳元で甘く囁かれ、優一は恥ずかしくて顔を隠した。甘さたっぷりの声にドキドキして全てを委ねたくなった。  「優一を見ながら…ほら、気付いてる?三本入ってたの。」  「ぁっ、わかんな、かったぁ」  「他のところに意識を持って行かせるのもコツかな」  「あんっ!」  一気に抜かれて、はぁはぁと荒い呼吸が響く。  「優一、愛してるよ」  「ん、俺も」  「最高に気持ちよくしてあげる。」  そう言って、ドキドキするほど色気のある顔で微笑まれた。見惚れている間に、膝を胸まであげられるて、ゆっくりと、いつも以上に大きな熱が入ってきた。  「っぁああああー!!やばぁい!ダメダメっ!!どうしよっ!」  (出ちゃう!出ちゃうよぉ!) 「ん?イく?」  「っぁああああーーーっ!!」  止めることもできずに胸に飛んだ白濁。ビリビリと痺れる快感。  (なんでこんな…)  「優一、お前の好きなところ、ココなんだよ」  「へ?」  「ほら、ここ」  どこかも分からないまま、頭が真っ白になりそうな感覚に叫ぶ。タカの刺激するところは対面座位の時に届くところ。  「きゃぁあああっ!ぃぁあああーー!!」  「たまんねぇだろ?最高だよな」  「ぁああっ!ぁああああ!」  何も考えられずに、必死にタカにしがみつく。飲み込めない唾液が垂れるとタカがすぐに舐めとってくれた。  「タカさぁん!気持ちいっ!気持ちぃよぉ!」  「ははっ、可愛いなぁ!お前を抱くだけで最高の幸せだよ」  「止まんないっ!またっ!きちゃう!タカさんっ!!きちゃう!!」  「くぅっ、締め付け…すごいなっ、っ」 強い快感に、腰を引くと、思いっきり叩きつけられ目の前に星が飛ぶ。タカのことだけを思ってひたらすら中の熱をしめつけ、最高の快感に酔いしれた。  (やっぱ、抱かれるのが、気持ちいい)  ピピピピっ ピピピピっ  「んぅ…9時…。タカさん…は、お仕事かな」  ゆっくり伸びをして、恐る恐る床に足を置く。  ドタンっ!!!  「ーーーーっ、はぁ、腰痛いよう」  ベッドによじ登り背中を丸めた。よく見るとタカの部屋だった。深呼吸すると、昨日のことを思い出して真っ赤になった。  (俺っ、タカさん抱いちゃった!!)  愛しくで堪らなくて電話をかけた。  『起きたか?おはよう』  「タカさん!愛してるー!!」  『あははっ、ありがとう。どうした、ご機嫌だな』  「タカさんとエッチしちゃったね!」  『あぁ、それで。そうだな、最高だったよ』  「っ!!!」  『ただ、お前を抱いてる方が幸せ感が半端ないけどな。愛してやりたいタイプなのよ、俺は』  「タカさんに愛してもらって幸せだよ!今日も大好きっ!」  『おう。じゃ、地獄のダンスレッスン行ってくるわ。昨日は付き合ってくれてありがとな。』  「頑張ってね!」  優一はゴロゴロとベッドを転がって、床に落ち、そのままリビングまで転がってテレビを操作した。映し出されたのはブルーウェーブのライブ映像。  「はぁ…カッコイイ、大好き」  画面上の恋人に呟いた。  ーーーー  「1.2.3.4そうそう!おお!タカ!いいよ!」  「なんとか、なんとかここまでは。」  昨日優一と確認したところまでは問題なくできた、と思う。 「相当な練習したろ?動き方もいいよ!」  「タカさん、本当に変わりましたね!自然です!」  タカはリクと大河に褒められて、少しだけ自信がついた。相変わらずゆっくりなテンポだが、優一の独特の教えを思い出しながらやる。  (虫を踏み殺して、道路に拭く…)  「そうそうそう!イイよ!カウントも合ってる!」  リクはこれが出来なさそうだったのに、と驚いていた。 「優一から習ったので」  「さすがだな!」  「ユウ、マコにも教えてくれるので…でも、ユウの教え方ってカウントとかじゃないですよね?」  「あぁ。この振りは、虫を踏み殺して…道路に拭く、だな」  「「あっははははは!!」」  言った瞬間、二人は爆笑して崩れ落ちた。リクはダッセー振り付け、と笑いながら泣いていた。  「ダンス初心者には最高の教え方だな!」  リクは爆笑しながらそう言うと、タカへの指示の仕方を変えた。  「んで、カツラを回して、遠くへ飛ばす!そうそうそう!っぷぷっ…あっははは!!」  覚えやすくはなったが、その都度リクが爆笑するため時間がかかった。  (また優一に教えて貰おう)  タカは爆笑するリクを無表情で見つめながら、リクが笑い終わるのを待った。 

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