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第133話 天然が恋をする

今日のアカペラ練習はルイがご機嫌で、みんなも笑顔が増える。テンションが高くて、笑顔がこぼれ落ちるようだ。  「ユーウ!いいねー!ここのユウの声すきー」  褒められて嬉しくなってハグすると、力強いハグが返ってきた。  「んー!ユウは可愛いなぁ!ペットにしたい」  「あはは!餌代めっちゃかかりますよ」  「一家に一台!ね、ヒカル!」  「僕はペットなんかいらないよ、一人で精一杯。」  「シュウトさんは…赤ちゃんいたもんねー…大変だ」  「ペットと赤ちゃん、一緒だと思ってる?」  クスクス笑いながらシュウトも穏やかだった。最近は雰囲気もよくなった。ルイもヒカルも普通に話すようになったのが嬉しかった。  「考え事?」  「うわぁ!?」  「ルイ、近すぎ。」  ヒカルに注意されたルイはニシシと笑って、ご機嫌すぎるほどだ。  「何。良いことでもあった?気持ち悪いくらいニヤニヤして」  「えへへー!分かるー!?俺っち初の彼氏ができたんだよー!」  「「「え!!?」」」 女好きで有名な先輩の爆弾発言に全員が驚いてルイをみる。幸せそうに蕩ける笑顔は本気だった。  「楓は俺のだし、俺は楓のだから」  「「「え!!?」」」  「ニシシっ!」  あまりの驚きに言葉が続かない。シュウトは良かったね、と声をかけ、ヒカルは意外すぎると絶句した。  「俺はねー、男は無いと思ってたんだけどねー楓があまりにも綺麗だから…いけちゃうね!柔らかいおっぱいもないし、お尻もカチンコチンなのにね!不思議!」  「る、ルイさんっ」  「それにー、お尻?めっちゃ気持ちいいところあるよ!知ってる!?あれはねー、ヤバいよね」  「もうお前黙れ」  ヒカルに怒られてもヘラヘラしているルイには響かない。優一は顔が熱くなるのがバレないように下を向いた。  「はぁ…楓に会いたい」  素直な人だとは思っていたけど、ここまでだとは思わなかった。何でもオープンでありのままだ。  「ルイさん、おめでとうございます」  「ユウありがとう!!」  「初めての男だからテンション上がってるだけでしょ。ただの興味だったりして。」  「ヒカルさん!」  「興味あるよ!もちろん!楓をどーやって開発しようかなぁって」  「え?ルイがタチなの?」  「たち?たちって何?」  ヒカルはうんざりして話をやめた。何?何?としつこく聞いてきて優一は顔が熱いまま説明した。  「へー。分かんないや!昨日は楓のばんだったから次は俺がタチかな?」  「…た、たぶん?」  「ルイ、女の子と違ってすぐ入れちゃダメだよ?」  「うー、そこなんですよー!シュウトさん、俺分からない」  「昨日シタなら分かるでしょ」  「知らない。AV見てる間に気持ちよくなっちゃったから覚えてない」  驚きの発言に優一とヒカルは目を合わせた。  「あはは!楓も大変だねー」  「シュウトさーん。笑い事じゃ無いですー」  ルイは少し心配そうにシュウトに縋るも、シュウトは時間だから帰ると、帰ってしまった。  「ヒカル…」  「お疲れー」  「ユーウ」  「ひいっ!!」  ヒカルが何かを察知したのかすぐ帰って、優一がルイに捕まった。  ーー  「あ、どうぞ」  「ユウ、スリッパある?」  「え?あ、はい。どうぞ」  「ありがとう」  とりあえず家に連れてきてしまって、作業場をノックする。  「優一、おかえり。…え?ルイ、どうした」  「えっと…かくかくしかじかで…」  「省くな。」  「えっと、後ろの開発をと…」  「はぁ!?」  「だって!ルイさん着いてくるんだもん!どうやってまけばよかったのさ!」  コソコソと話していると、廊下に立ったまま笑顔でこちらを見るルイはホラーだった。  「よぉ、ルイ。どうした?」  「タカさん!俺、楓と付き合ったんだけど、抱き方が分からなくて」  「はぁ!!?」  「ど、どうしてそんなにビックリするの?」  「ビックリするだろうが。お前女好きだろ。」  「女の子もすきだけど、楓を好きになっちゃったんだもん。」  蕩けるような笑顔は、優一もつられて笑顔になる。タカは唖然として楓に連絡をした。  「楓?うん。お前の新しい恋人できたのか?…嘘つくな。自称お前の恋人がうちに来てるんだが」  ルイは座ってと言われても立ったままニコニコするだけだ。  「ルイ、代われって」  「楓ー!!お疲れ様!……え、言っちゃダメなの?どうして?」  諭されているルイが可愛くてクスクス笑う。タカは優一の隣に腰掛けてため息を吐いた。  「思いついた曲、全部とんだ」  「ごめんなさい…」  「どーしちゃったんだろうな。今更恋人?血迷ったようにしか思えん」  「ルイさんが意外すぎるね」  「あぁ。女と浮気されて捨てられる楓が浮かぶよ。本当ルイは惚れやすいな」  「そんな怒んないでよ!!俺は、楓と付き合って嬉しかったのに楓は嬉しく無いんだ!」  「うーわ、面倒な女じゃん」  「し!タカさん!」  優一は慌ててタカの口を塞ぐ。今にも泣き出しそうなルイにハラハラした。  「だって…楓を開発して俺色に染めようって…」  「「ぶはっ!!」」  「違う!染まったら捨てるなんて楓にはしない!本当だよ!今までの女の子は俺が飽きたのにしつこかったから…でも楓はちがうもん」  「「……」」  「優一、寝てこい。疲れただろ。あいつは俺に任せろ」  「でも…」  「大丈夫。少し休め」  お言葉に甘えて優一は自分の部屋に行った。  ーー 「あーもう!いい加減にしろ!!」  大きな怒鳴り声に飛び起きてリビングに行くと、駄々をこねるルイと怒鳴る楓と呆れたように見ているタカ。 「やだやだ!楓を気持ちよくさせたい」  「そんなのすぐじゃなくていいだろ!何人巻き込むつもりだよお前は!大地の次はタカさんかよ!」  「だって大地には大河のことを確かめたかったから!でも大河はメンバーにも嘘つくし」  「俺がそうしろって言ったんだよ!お前が騒ぐからな!」  優一はメンバーの名前がたくさん出てきて疑問でいっぱいだった。  「大河より俺が上手だもん」  「あぁもう!大河のことはいいだろ!」  「もう見たくないんだもん!誰にも取られたくない!楓の隣は俺じゃなきゃダメなんだ!」  その言葉に楓は顔を腕で隠した。  「…お前、俺を殺す気なの?さっきから…恥ずかしすぎて消えたい」  タカはクスクス笑って、優一に気づき、おいでと手招きした。ルイはおはようと笑顔で挨拶をした。  「タカさん、大河さんがどうかしたの?」  「おい、戻すな」  「大河、マコちゃんいるのに楓とエッチしたのにさ、大地には嘘ついてるんだよ!」  「え!?」  「事故みたいなもんだ。気にすんな」  「そんな…」  「発展場と知らずに来た大河に声かけてきた奴から回収した。誰でもいいなら俺でもいいですか、とかぬかすから…ただそれだけだ」  (大河さん、何かあったのかな?)  「そしてその大河と楓を見てルイが自分の気持ちに気づいたって話らしい。貢献したな、でかしたぞ大河。」  「笑い事じゃないよ…。まこちゃん…」  「知る必要はない。傷つくだけだ。お前が大河とヤったのみたいにな。」  「え!?なんで…」  「あんなに解れてたら分かるわ」  なんでもないみたいに言われて、謝罪の気持ちを込めてすりすりと頭をタカの肩に擦り付けると嬉しそうに髪を撫でてくれた。  「うー…ラブラブだ。羨ましい」  「こ、こんな風なの、お前が望むなら…」  「本当っ!?本当!?」  「できる範囲で、だけどな」  「うわーい!楓、大好き!!」  楓に飛びかかって首に腕を回し、濃厚なキスをし始めたルイと楓の頭をタカが叩き、家から出した。  「ふぅー。とんだバカップルだな。楓の苦労が見えるな」  「ルイさん本当に幸せそう…ふふっ気持ちわかるなぁ」  「そうなの?」  「うん。幸せで仕方ないし、伝えたいし。」  「ふふっ。俺も」  ソファーに押し倒されてキスをする。だんだん激しくなって頭がぼんやりする。  「タカさん…」  「ん?」  「したい。」  「俺も。」  全身を舌が通ってくすぐったい。愛されていることが伝わってたまらず熱い息を吐く。 「タカさん、あのね、」  「ん?」  「その…っ、ごめん、なさい」  「もういいから…、ただ、お前はメンバーとの距離が近すぎる」  「うん、そうだね、っ」  「お前の居場所だから、っ、何も、言いたくないから」  「うん、ごめん、なさいっ、」  「好きな人とが1番だって、何度でも教えてやる」  「っぁ、んぅ!!ーーっは、ぁっぁっ、」  「敏感だな。ルイの話で想像した?」  「ん、した、したぁ」  指が良いところを攻めて目がチカチカする。必死に問いかけに答えるが意識が霞む。  「優一のここ、凄いしめつけてる。」  「ンッ」  「欲しい?」  「欲しいっ」  「だーめ」  甘い声で囁かれて、指がグリグリと前立腺を突いて前触れなく白濁が飛んだ。  「ぁっ、…ぁっ…っは、っ」  だんだん視界がクリアになると、優しい顔のタカがこちらを見つめていた。  「かわいい」  「っ!!?」  「うつ伏せになって。今日は思いっきり攻めたいから」  対面座位が好きな優一は少し残念に思ったが、恋人のリクエストに答えて四つん這いになった。  「あ…首のやつ…ごめんな?痛かっただろ」  「うん…痛かった」  「お前見たら噛みたくなる」  「やだよ、怖い」  首に唇が触れるとビクッと跳ねる。そしてゾクゾクと身体が震える。  (痛かったのに…今はなんかゾクゾクする)  息がかかるだけでも声が漏れて、優一の熱も硬さを増す。  「入れるよ」  「うん…っっ!っぁああ!!」  馴染む前に良いところだけに熱い杭が打たれて声が止まらない。必死にソファーに捕まってされるがまま揺さぶられる。タカは宣言通り、優一をイかせる動きよりも、自分の快感を優先して、荒い呼吸が落ちてくる。  (ヤバいっ…なんかゾクゾクが止まらない)  予想できない快感と焦らされているような、でも良いところにも当たっていて訳がわからない。優一の背中とタカの胸がくっつくと、首筋を熱い舌が通った瞬間、ガクンと力が抜けた。  「ァアァア!」  「おっ…と。もうもたねぇか?よいっしょ」  「ッッァアァアーー!!」  「くぅ!!締め付けすごいな!呼吸しろよ、優一」 「っぁああ!いっ!っぁああ!当たって、もぅ、当たってるからぁ!!」  身体を起こされ背面座位になった瞬間、優一の目の前に星が飛ぶ。良いところと奥に刺さって背中が反る。ぎゅーぎゅーと乳首もつ 抓られ、必死に快感を受け入れる。  (あたま、おかしく、なりそっ、!!)  無防備な耳や首に濡れた舌が絡み、タカの気持ち良さそうな声を聞くだけで、限界になった。  「ぁっ、ぁっあ!っあ!」  「優一、っ、イこ」  「ッッ!ッァアァアーーーーッ!」  ローテーブルにパタパタと吐き出して、気持ち良さの余韻に震えた。  (気持ち良すぎる…最高っ…)  「なーに笑ってんの?気持ちよかった?」  後ろから顔を覗き込まれて、恥ずかしくなる。  「気持ちよすぎるよぉ…タカさん、気持ちいい」  「そうだろ?俺も。お前だからさ…余裕もないしな…ん〜大好き優一」  「俺もぉ、タカさん大好きっ…」  力が抜けて、タカに甘える。  嬉しそうにキスしてくれるタカに身を任せたまま、ぼんやりとする。  「ここが…居場所だ」  「ん?」  「タカさんとくっついてると、俺の居場所だぁって思うんだ…」  「うん、ここはお前の居場所だよ」  「えへへ。どうしよ、ルイさんみたいにテンション上がりそう」  「あいつら本当大丈夫かな…。ルイは熱しやすく冷めやすいから…。楓はけっこう一途なところあるし…」  「キーマンはルイさんだね」  「楓にはそろそろ幸せになって欲しいって思ってたのに…まさかのルイだったな…。」  誰もルイのことが予想つかず、優一もタカも楓を応援した。  ーーーー  ルイが自分の部屋で寛いでいる。  スリッパも出さずに、裸足でペタペタと歩き、ベッドで動画を見ている。  「あははっ!楓ー!こっち来てー!見てみてこれー!超うける!」  満面の笑顔で呼んでくれることにいちいち感動して、ドキドキして、幸せに浸る。  (可愛いやつ)  近づいた瞬間、腕を取られて押し倒され、ルイが上に乗る。  「やーっとこっちに来た。…楓、顔真っ赤」  「真っ赤じゃねーし」  「楓、綺麗だよ。俺の…楓。」  子どもから大人の男に変わる。優しい顔で頬を撫でて、優しく笑う。過去の女達がハマるのもわかる。「私だけが知ってる顔」このギャップはたまらない。  「楓?」  「好きだ…」  「っ!!」  ただ、知らないだろう、その女達も。  自分の何気ない言葉で、大人の男から、1人の、好きな人を目の前にした男になる瞬間。  「ありがとう!俺も!」  照れたように笑いながら、心から嬉しそうなこの顔。きっと、自分しかしないだろうと首に手を回し、舌を絡める。  (違和感ないんだよな…もともとこれが普通みたいに…相性がいいのかな)  「楓のキスやばい…っ、見て、勃った」  素直に言ってくれるのもツボで、触ってやると気持ちよさそうに笑う。  「楓、気持ちいいっ」  (こいつの天然に、俺はずっと振り回されるんだろうな)  そんな覚悟をして、またルイの服を脱がせた。 

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