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出逢い
一緒に暮らし、毎日〝溺愛方程式〟と称されたお勉強をシている俺たちが出会ったのは春に遡る 。
20××年4月──────
ここは逢坂高校 。琉翔は新入生として入学し、奏翔は本業する傍らこの学校へ非常勤講師として勤務している 。保健担当で保健医でもある 。
入学してから裏の顔がドSという琉翔が目をつけたのが奏翔だった 。
〝あの先生...なぁんか匂うな〟
悪戯心とドS心が擽り先生が勤務の日を心待ちにしていた 。
保健医の奏翔が勤務の日、もちろん奏翔は保健室で仕事していた 。...と言っても保健の授業で出したミニテストの採点だ 。採点していると保健室のドアが開いた 。
ガラガラガラ──────
「奏翔先生、ちょっと具合悪いので...休ませてください」
そう言いながら入ってきたのは1年の生徒・琉翔だ 。
「具合悪い?如何したんだ?ちょっと熱測ろうか。ここに座って」
「......はい.....」
この時琉翔が不敵な笑みを浮かべた事は奏翔は気づかなかった 。
「じゃあ体温計ね、脇に挟んで」
奏翔はピッと電源入れた体温計を琉翔へ手渡しする 。その時、琉翔は体温計を受け取るだけではなく先生の手も握った 。
「...ッ...は 早く測りなさい」
体温計を受け取るかと思えば手を握られ困惑、そして何故かドキドキしてしまって言葉が詰まる 。
〝ふ やっぱり先生...もう少し悪戯シてみようかな〟
「あ、すみません。今測りますよ」
ニコリと微笑みパッと手を離して体温計受け取り脇へ挟んだ 。
しばらくすると──────
ピピピッ ピピピッ ピピピッ
図り終えた電子音が鳴り響く
「ああ、測れたみたいだね...えっと熱は...」
そう言うと奏翔は体温計が挟まれている琉翔の脇へと手を伸ばした 。体温計を取ろうとしたその時、琉翔は奏翔の手首を掴み引き寄せた 。
「ちょ ッ...琉翔...く ん?」
「先生...さっきドキドキしてましたよね。そして今も...」
「はは...何言ってるんだ?ほら手を離しなさい」
「離しませんよ?先生は今から俺の〝ペット〟になるんです」
「...ッ意味わからない...な、いきなり如何した...っん んぅ...っは...ふ ッ」
言いかけた時突然唇を奪われた。琉翔は唇の隙間から遠慮せず舌をねじ込み咥内を貪るように犯していく 。そして水音まで響かせ舌を絡めては吸い付く 。
「 んっ...んん...ふ ぁ...ッや...めっ...なさッぃ...っ」
奏翔は熱く濃厚な口付けで顔は蕩けきって頬も赤く染め上げ目細め完全に堕ちた表情を晒していた 。それでも今は教師という立場から琉翔の胸板を両手で強く押し退け抵抗をした 。
「ッはあ ...先生、抵抗しても無駄です。先生は今堕ちました、もう先生は俺のモノ...ペットです」
「はあ...は ぁ...何言ってるんだ。そんな...ッ」
「家の鍵...貸してください、合鍵でも作ります。今日から先生と一緒に暮らしますよ、俺」
「何をバカ言って...ッそんなこと無理だ ッ」
「...先生は〝はい〟と、返事してたらいいんです。鍵...早く出してください。」
「.........はい...」
状況理解に追いつかず尚且つ琉翔の迫る気迫に圧倒され鍵を渡してしまった 。この日から普通の生活からペットへと成り下がった生活が始まった 。
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