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媚薬-1

〝溺愛方程式〟という名のお勉強が終わってから早くも3時間が経過した 。 ...足腰が怠くて動けない 。寝かされているベッドでモゾモゾと動くしか出来ない 。 そろそろ陽が落ちてきて辺りは暗くなってきた頃、寝室のドアが開いた 。 ガチャッ────── ドアの方に目をやるとそこに居たのは...やっぱり琉翔だった 。 「そんな目で見んなよ。飯出来たから迎えに来たんだ」 そう言うとさっきまでとは違って物腰も柔らかく優しく微笑む琉翔の姿があった 。 「飯か...丁度腹減ったなと思ってたところだ...ッあ...クソっ...はあ...っ」 「ああ...まだひとりじゃ立てないんだね、奏翔。連れて行ってあげるよ」 〝何を涼しそうな顔して...琉翔のせいだろうが〟 琉翔は軽々と奏翔を持ち上げ姫抱きしてリビングへ連れていった 。 リビングには琉翔の手作りの夕食がテーブルにズラリと並んでいた 。あさりご飯にトンカツの和風おろし、俺の大好物のマカロニサラダ...そして味噌汁とデザートの黒ゴマプリン 。 〝高校生のくせしてよくこんなに作れるな...美味しいから腹立つ〟 姫抱きのままゆっくりと椅子へと下ろされた 。 「さあ、着いたよ。今日はこんな感じのご飯...美味しそうだろ?」 頭をポンポンと優しく撫でられ、琉翔は再びキッチンへと足を進めた 。なにやら冷蔵庫からワインを取り出して持ってきた 。 「せん...じゃなくて奏翔の為に買ってきたワインだよ...飲むよね?」 「こんな高そうなもの...ッ...まぁ折角だし貰うよ」 「和食にも合うワインだから、飲みながら食べてよ」 「ふーん...ありがとう...いただきます」 このワインの中にはジワジワと効いて長く効果のある〝媚薬〟が入っている...と言うのは琉翔しか知らない 。 奏翔はその媚薬入のワインをいちばんに飲み────── 「...ッ!!ホントにこのワイン美味しいな...ん...んん...トンカツにも合う!!」 「ふは ...そうだろ?いっぱい飲んでいっぱい食べてよ」 琉翔は黒い笑を浮かべワインを飲み進める奏翔の様子を逃さぬよう観察しながら食べ進めた 。 かれこれ食べ始めてから30分、2人は夕食を食べ終えた 。 「ごちそうさまでした、美味しかったよ琉翔」 食器をキッチンへ運び2人分の食器を洗うのは奏翔の仕事 。琉翔はソファにす座って寛いでいた 。 〝...ッ?あれ...なんか 身体が...ッ〟 食器を洗い終えた頃、身体に異変を感じた。それは...身体の内側からジワジワと熱くなる感覚だ 。 変だな...と思いながらも琉翔の待つリビングへと戻り同じくソファへ座った 。 琉翔は座った奏翔を見て異変に気づいた...実は顔も僅かに火照って赤くなっていたからだ 。 クスッと意地悪く笑えば感度を試すかのように奏翔の身体に触れる為に優しく肩を抱き寄せた 。 「...ッ...!!」 〝わ...なんだ...この感覚...ッやっぱり 何かおかしい〟 「...如何した?奏翔...大丈夫か?」 「あ...んっ...だい じょうぶ。それより...いきなり如何したの?」 「はは 恋仲でもある俺たちだよ?こうしたって...いいだろ?」 「そ...そうだな。」 ジワリと襲い来るこの感覚に僅かに頭がボーッとしてきた 。そんな中、今度は頬や首筋にキスしてきた 。 〝...ッ...ちょ...なに...これ〟 今度は快感に繋がる刺激が身体中に走った 。 「...ッん ...ぅ」 思わず声が漏れてしまった 。 「ホントに如何したの?唇触れただけだよ、奏翔」 「...はあ...知ら ない ッ」 「ふふ...はは...ッ効いてきたみたいだな、媚薬。ワインに入れてあったんだよ。奏翔は知らずに美味しそうに飲んでくれたね」 「...は あ...やっぱり..そういう 事か ッ」 「ちょっと試してみたくてな、まぁ付き合え...実験に。ご飯も食べたし運動しなくちゃな?奏翔」 そう言いながら琉翔は奏翔の服の上から突起を探るかのように胸板を撫で回した 。 ▷

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