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お熱編 ~白 side~(裏)2
「なあ、なんで座薬?」
「お前、薬が嫌いでしょう?」
てっきり、口から服薬する解熱剤だと思っていただけに、この見覚えのあるモノは、只でさえ痛い頭をさらに痛くさせた。
「俺、座薬も嫌なんだけど……」
「座薬の方が効き目が早いですよ。知っているでしょう?」
そうだけど。でも、尻から挿入するあの感覚が嫌なんだけど……
「それから、こちらの飲み薬は食後です。後でおじやを持ってきますから、先にそれを使いなさい」
うえ……マジか。
「だめ?」
「駄目です」
「妻の頼みでも?」
「その妻の為を思ってです」
「くっ…………わかったよ。腹括った。やる」
「いい子」
子って……俺、もういい歳なんだけど。
悠壱さんから頭を撫でられ、俺は下に穿いているジャージズボンに手を掛けた。が……
「なあ」
「はい」
「一人でやるからさ。ちょっと、あっち向いててくれない?」
「何故?」
悠壱さんが、めっちゃ見てる。何故? って普通に聞かれたけれど、自分が見られたら嫌だろうに……この人と長年一緒に暮らしているし、あんなことやそんなこともしてるから散々恥ずかしいとこも見られているけれど、僅かでも羞恥心くらいはあるぞ、俺。
それを悟ったのか、悠壱さんがわざわざ俺に顔を近づけて尋ねてくる。
「恥ずかしいのか? 今更?」
ああ、もう! そうだよ、今更だよ! 尻の孔なんてもう何百回も見られているけれど! 自分で……しかも座薬を入れてるところなんざ見られたくないんだよ! わかれ!
すると、この鬼畜眼鏡は俺の腰に手を当て、そのままするりと尻に触れる。そしてさも不思議そうに……。
「私のだけでなく、様々な玩具もここに挿れてきたというのに? ローターやバイブ、張型も飲みこみ、私に見せつけてきたこともあるというのに?」
それはアンタが用意していたからだろ!! 俺は自分でやりたいなんて言ったことは一度もない! こんのサディストが!
「ケホケホッ!」
「ほら、辛いんでしょう? 早く寝なさい……それ、使ってから」
鬼だっ……本当にこの人、鬼だっ……! わざわざ座薬を指定したのも、この人だきっと!!
「それとも、私が挿れてあげましょうか? どのみち、五分ほど栓が必要ですからね」
「い、いいっ……それなら自分でやる、からっ……ゲホゲホッ」
「前回、私の身体を好きなように触っていたでしょう? それに好きなように弄っていいと言ったのもお前です。さっさと腰、浮かせなさい」
「うぐっ……」
もう駄目だ。この人、折れる気が無いっ……!
頼むから、普通に入れてくれますようにっ……普通に!!
俺は膝を曲げて割座になると、悠壱さんの肩を借りながら少しだけ腰を浮かせた。悠壱さんは慣れた手つきで俺のジャージと下着を下ろし、尻だけを出させると、ジェルを塗った座薬と指をゆっくりと挿入させた。
「ん……う、ん……」
うえ……気持ち悪い。散々、セックスの時にでかいアレを受け入れてはいるけれど、薬だって思うとすげえ気持ち悪い。とっとと身体に吸収されねえかな……
「え……?」
これでもう寝かせてもらえると思っていたのに、悠壱さんは何故かまだ、俺から離れない。どころか、尻から指を抜いてくれない。え、な、何で?
「ゆ、悠壱、さん? 何で、抜かねえの?」
「何でって、栓ですよ。言ったでしょう? 五分は必要だと」
ご、五分も!? てか、栓って指!? ティッシュじゃねえの!?
「いやあの、この体勢で五分ってのは結構きついんだけど……」
「それもそうですね」
と、さも今気づいたとばかりに、悠壱さんは俺の尻に指を入れたまま、俺の肩を抱いてゆっくりとベッドへと寝かせる。ちなみに悠壱さんも一緒になってベッドへ寝そべる形に。そして、寒かろうと俺にブランケットを掛けてくれるのはいいんだけど……指! 指抜け、この鬼畜眼鏡!
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