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プール編 ~白 side~6

 後から話を聞けば、この施設の責任者さんと悠壱さんが知り合いで、スーツなのにズカズカと入って来れたのはそういうことらしい。  隣のホテルもコネを使ったのかたまたま空いていただけなのか、見晴らしのいい最上階を押さえていたし。菖蒲君から連絡を貰ってからの諸々の手際が良すぎて自分の旦那が恐ろしかった。  華鈴姉さんと克哉さんがいるとはいえ、自分の子供たちをあの場に置いてまで俺は着替えなきゃならんのかといえば、そんなことはないだろうけれど、静かに怒りを顕にしている悠壱さん相手にそれ以上は言えなかった。  ホテルの中に入って部屋に着くまで一言も発さず、けれど俺をしっかりと抱いて離さないこの人の状態は何も今に始まったことじゃない。  惚気て言うのであれば、俺が好きで好きで離したくないの~(ハアト)なんだろうけれど、この人の場合はそうじゃない。好きだの愛してるだのと言われたことがないし、そういう括りじゃないんだろう。  そうではなく、自分のものと決めた物に手を出されることがただただ不快なんだ。理由はどうあれ周囲の人間の目を引く俺をあれ以上晒したくはなかったんだろう。  まあ、だからといって。 「あっ、や、だあっ……そん、な……んっ、奥、突かな……で……ああっ!」 「そうは言っても……お前のココ……今にもはち切れそうだけど?」 「だっ、て……そこ、イい……んんっ、だめ……ちくび、んぁっ、弄らな、でっ……あんっ……」 「直に触るよりも良いのか? 布越しの方が感じるなら今度からそうするか?」 「んんっ、囁く、なっ……あ、ああぁっ!」  部屋に着くなり、ずぶ濡れの身体もそこそこに俺をベッドへと押し倒して、バックで犯すってのはどうなんだ。アソコはこれでもかってほどたっぷりローションで解されたけれど、違う。そうじゃない。優しさを見せるのはそこじゃない。 「はあっ、はあっ……や、もう……許して……あっ」 「そう言って許せるほど、こっちは何も満足出来ていないんだが……なあ、白?」 「ん、んんうっ!」  脱がされた海パンも肌に引っ付いて片足に引っ掻けた状態で、尻さえ出ていればいいのかっていう形でこれでもかというほど身体の奥を犯された。指以上の質量のそれを突かれる度に、俺の中にあるあの一点が擦られるわ、この人が俺の反り立つ前を扱いてくるわで、イくのが止まらず。  さらには俺を殺す気かと突っ込みたくなるほど口で口を塞いでくるせいで、俺の体力はもう限界だった。  服を着替えるだけなのにどんだけ時間が経ってんだと突っ込まれなかったのは、子供たちがプールとソフトクリームに夢中だったからだろう。  濡れたTシャツ越しに弄られる胸は、もうその夜は晒せないほど真っ赤になってしまっていた。どころか、鎖骨や首にこれでもかというほど痕を残されてしまっては、それが引くまでホテルからは出られないということ。 「あ、嘘っ……体位変えな……あっ、ああんっ!」 「せめてあと二回は付き合って貰うから」  俺が悪いんじゃないのに、こんなの理不尽だ。  そう華鈴姉さんを恨みながら、この絶倫旦那が言う「二回」に、俺は付き合わされたのだった。

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