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第一章・6

 もらってすぐはまだ幼く、ぶかぶかだったこの腕輪も、ぴったりになるくらいの年に成長した。  あの時から毎年、明日の日付を記念日と決めて自分を祝い続けてきた。  せめて明日一日は、この腕輪をつけて過ごそう。  そう考えて眠りについた。  聡士の姿はないけれど、腕輪をつけていれば彼が傍にいてくれているような気がした。

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