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第一章・11
ふと、脇腹に硬質の感触を覚えた。
銃だ。
抵抗するな、言うとおりにしろ、というわけだ。
そうこうするうちに、裏通りのさらに裏の、そのまた裏に連れてこられた。
がらんとした、人気の全くない袋小路。
そこまで来て、いや、正直に言えばそうではないかと薄々勘付いてはいた。
僕を犯す気だ。
知り合いを装ったのは、通行人に見とがめられないようにするため。
万が一怪しまれれば、あれ人違いでした、と言い訳も利く。
どうしようかな。
相変わらずぼんやりとした意識のまま、藍は体を壁に押し付けられた。
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