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第二章・5

 それもいいかも。  どん底まで落ち込んだ気分をハイにさせるには、手っ取り早い方法だ。  ただ、効果が切れた時の反動も大きいだろうが。  腕を掴まれ、チクリと針が落とされた。 「こいつ、全く抵抗しねえな」 「慣れてんだろ。男娼じゃねぇの?」  男娼。そうかも。  自暴自棄な気持ちは、最大限にまで高まっていた。  体を撫でまわしていた手が、やがて唇に変わり、舌にとって代わってきた。  気味の悪い刺激に身を任せていると、突然地面に引き倒され、犬のように四つん這いにさせられてしまった。  再び、頬に冷たい感触が。 「歯ぁ、立てんなよ」  ナイフで脅しながら、男のひとりが藍の眼の前に太いペニスを突き出してきた。  鼻をつく、すえた臭いが不快だったが、顔をそむける間もなく無理矢理それは咥内にねじ込まれてきた。

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