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第三章・14
聡士。
焦点の合わない眼でこちらを見て、何か言おうと小さく震えた藍の唇を、聡士は指先で軽く抑えた。
何も言うな。
そうすると藍は静かに眼を閉じ、後はただ聡士に体を預けて湯を浴びた。
聡士は、藍の体はもとより、口まで開かせてその中にも湯を注いだ。
そっと指を入れ、丁寧に咥内を撫でてすすいだ。
髪の中にまで、乾いて固まりかけた精液の名残があった。
手櫛で何度も梳き、丹念に落とした。
体を清めた後は乾いた清潔なタオルで入念に水分を拭き取り、その軽い体を抱えて寝室へ入った。
パジャマをまとわせベッドに横たえ、毛布を掛けてやった。
そしてようやく、詰めていた息を大きく吐き出した。
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