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第6話

彩李side 昨日のαの人、今日も頼んだら来てくれた…。 本当にきてくれるとは思ってなかったから驚いた名前は一ノ瀬 鼓(いちのせ つづみ)さん。薫さんの後輩らしい…。 一ノ瀬さんが着ていたパーカーを貸してもらう。まだ意識が朦朧とする程までは発情してないから触れると辛いのだ… 「今触るとまだ辛いかい?」 「うん…。はぁ……、パーカー、おっきいねぇ…。包まれてる……。気持ちぃ…」 「ふふ、可愛いね。触れないのが残念だよ」 「…………ごめん…なさ、い…」 「いいよ。服もあげようか?」 一ノ瀬さんの優しさに甘えて服も脱いで貰った。僕よりもガタイが良くて背の高い一ノ瀬さんのパーカー。羽織ってみると手も出ないし、裾はお尻の下まであった。今脱いでくれた服を抱きしめるとαの香りに安心を覚える…。 発情してる僕を見ながら笑ってた。嫌味な笑いではなく、微笑ましいような感じ…。 「……なんで、笑う…?」 「…俺の服で気持ち良くなってるの、可愛いから。思わず?」 「変、な人……。あるふぁ、なの……やさしぃ…」 「……呂律回ってないよ?…飛びそうなの?そろそろ触っていい⁇」 「ん、触ってぇ………」 触れられた途端、気持ち悪くなって吐いた…。 今日も、また、吐けるだけの物は食べられず…。αの精液が身体に入らないと発情期は治らない。この前は頼んで中に出して貰ったけど、今日はゴムをつけて貰った。何度も中出しされるのは怖い。 前の時だって本当は飲むつもりだったんだけど、僕がそこまで耐えられなかったのだ。ちゃんとアフターピルも飲んだ。 「あ゛ぁ゛……あぅ゛っ…ん゛ぅ゛……あぁぁ゛……だめぇ゛…いぃ゛………っ!!!!」 「……もう少し………………クッ…。はぁ…、大丈夫?」 「………ぁ、ぁ…はっ…、はぁ……はぁ……。だ、じょ……ぶ……」 いくら身体が欲しても精液を飲むのは結構しんどい。飲み込んで少し落ち着いた…。呼吸が楽になって、思考回路も少しマシになった。後三日くらいで発情期は終わるけど、その間ずっと相手してくれないかな……。そう思うけど、彼には、彼の予定があるし、もしかしたら番がいるかも。そうでなくても好きな人がいる可能性だって…。 「……はぁ……はぁ…。……喉、乾いた………」 「口開けて…」 口を開けるとゆっくりと水が流れ込んでくる…。冷たくて、ちょうどいい。彼をチラッと盗み見て、目を逸らす 「……ありがと。…………明日からは、……一人で…、なんとかする、から……」 「……それ本心?」 「……………んっ…」 「本心じゃないなら頼って…。君が本当に好きな人と出会って番になれるまでは、面倒見るよ」 「迷惑………かける…」 「今ここで君と離れた方が迷惑。すげー不安で眠れない」 そんなふうに優しく微笑まれると断りにくい…。それに、今まで僕を抱いた人の中で誰よりも優しく抱いてくれる…。それが本当に心地よかった…

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