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第9話

彩吏side 発情期が終わって学校に真面目に登校すると、急に人に話しかけられる。全く記憶になくて無視しようかとも思ったけれど、どうやら居なかった一週間ずっと僕のことを探していたみたいで、無視しにくかった…。 今日は三限からで、空いている一・二限の間にコンクールに出す作品を仕上げようと思っていた。今日は調子がいいらしく、色も少し見えていたから進めたかったんだけどなぁ…。 「…………分かった…。ついてく……」 「良かった〜!ありがと!……じゃ、行こっか」 彼についていくと、図書室に着いた。ほとんど使われることのない図書室。本日も誰も使っていないので貸し切り状態だった。 「………………なんの、…用……、です?」 「君に酷いことを言われた僕の友人が、君に会って話がしたいみたいなんだよね」 「………あれは、………別に…本当のこと…………言っただけ…。………言い方は……悪いかも、だけど…………」 「うん、君が悪いとは誰も思ってないけどね〜。ただ、話してみたいんだって。君と…」 「………………………明後日なら……、空いてる…」 「なら明後日一緒に晩ご飯でも食べに行こうか」 「………………はい。………友達も一緒に、いい…ですか?」 「うん、いいよ〜」 僕一人だとまたやらかす気がするし、今、僕の目の前に座って居る人が単純に怖かった…。とても柔らかくてゆるい喋り方なのに目が全く笑って無いから怖くて体が震えそうだった。 そんな人と、その人の友人と、僕一人で会うのは怖かったから、むいちゃんにもついてきて貰おう。ちゃんと良いよって許可はとったからついてきてもらっても怒られないはず…。 「…俺も、君と話してみたかったんだよね〜」 「………」 「話してみると印象違うね。もっとハキハキした子なのかと思ってた。…思ったよりも、人見知りさんだね〜」 「…………僕、………もう、帰っていい………?」 「うん。いいよ。また今度話そうね〜」 もう遠慮したい…。なんと言うか本能が危険だと言ってる気がする…。もう彼に関わらない方がいいと直感で思うから…

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