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43 痕
何度か見たことがある。ふと見せた安田の寂しげな表情。
自分よりきっとひと回りくらい歳が違うんじゃないか……そんな安田にいつも剛毅は大人だと感じていたし強い人間だと思っていたけど、こういう表情をされるとどうしても戸惑ってしまう。
「うあっ……あっ!」
おもむろに安田の指が剛毅の奥にゆっくりと押し入ってくる。今まで何度も何度も、安田は剛毅を抱いてきた。剛毅の敏感な所など一々探らなくともすぐにわかる。
いつの間にか足枷も外され自由になっていた。足を持ち上げられた時に直ぐに気がつき、嫌だと言ってこの場から逃げ出す事も出来たはずだが、剛毅はそれをしなかった。
「ほら……ここだろ? ここをグッとされると剛君イっちゃいそうになるんじゃない? ほら……ほら……我慢しなくていいんだよ……」
乱暴にアナルを指で弄られる。
「あっ……や……だ、あ……ああ……あっ」
「指、何本入ってると思う? 剛君、腰が浮いてる……気持ちいい? 可愛いな……」
グイグイと指で剛毅のいいところを押し当てながら、安田は剛毅の首筋に噛り付く。ビクッと剛毅はそれに反応し、その反応を確かめてから安田はジュっとそこに吸い付いた。
あ……キスマーク。
そう思った時にはもう遅く、しっかりと剛毅の首に小さな痣が浮かび上がる。こんな所に付けられては服を着ても見えてしまうと思い、慌てて安田から逃れようと体を捩った。
「やだ、安田さん……痕つけないで……あっ……痛っ!」
安田は首に噛み付いてみたりキスマークをつけたり、剛毅の反応を面白がるように行為を続ける。噛み付く力も案外強く、薄っすらと血が滲んでいた。
「あーあ……ごめんな。またやりすぎちゃった。剛君……キスして。もう挿れていい?」
剛毅は言われるがまま、安田の首に腕を回し優しくそっとキスをする。啄ばむような軽いキスに、安田はやっぱり寂しげな表情を浮かべた。
安田は剛毅を抱き上げ自分の上に跨がらせると、後ろに回した手で剛毅の尻をぎゅっと掴む。
「剛君、自分で俺の中に挿れてごらん……もう十分解れてるよね? 俺を気持ちよくして……俺のためにいやらしく動いて」
剛毅は言われた通りに、自分のアナルに安田のペニスの先端をあてがう。安田の顔を見ると、早くしろと言わんばかりに軽く首を上げた。ジワジワと入ってくる圧迫感にゾワっと肌が騒めき、堪らず剛毅は声を漏らした。
「いい顔してる……いやらしいね。ほら……動いて……自分じゃ動けない? そんなに気持ちいいの? 剛君涎が出ちゃってる。可愛い……」
結局は動けなくなった剛毅に焦れったくなった安田が強引に動き始め、組み伏せられた剛毅はもうされるがままで意識を飛ばす寸前まで攻められ続けた。
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