「おい、グーとやら。諦めろ」 苛々していた俺の腰に、自称魔王の手が添えられた。 「でも、寝取られって美味しいでしょ」 「先ほどから、あいつをみても、俺の闇棒が建国しない。建国どころか奥の方へ逃げてしまわれた」 まじかよ。ってか魔王が闇棒にたいして敬語で話してる？ 「勇者とは恐ろしい存在だ。過去二回現れた勇者二人とも、一ミリも私の欲望を燃え上がらせたものはいない」 「つまり全くタイプじゃねえってことなんすね」 「ああ。俺の身体は９８パーセントが性欲で二パーセントが死にたいって思っているので、これでは負けてしまう」 「触手で一回喘がせてみては？」 「うーん。取りあえずはお前だけでいいかな。行くぞ、王都へ。どうせなら勇者と王がいる場所でぬくぬくとお前と結婚しとくのも悪くない」 悪くなくなくない。クソ悪いだろ。 「わ、ではお二人とも行かれるんですね。すぐに馬の用意をしてきます」 行かれるんですね、じゃねえよ。イカレてんのかよ。 どうみてもコイツ、お前が倒さなくてはいけない魔王だろうが。 「グーよ。細い腰だな。大丈夫か。俺の建国闇棒は１３キロ伸びるぞ」 １３キロや。 「笑えない冗談は止めてください」 だが腰に手を添えられた瞬間、なんだかもう逃げられない。 そんな、小動物の様な気持ちになった。 ライオンに睨まれたハムスターレベルで、俺はこいつからの脱出を諦めている。 「お前みたいに女の尻ばかり追いかけている男は、――建国闇棒に興味ないだろうしな」 おぞましい四字熟語作ってんじゃねえよ。建国闇棒ってなんだよ。ち○こって堂々と言えよ。 「お前みたいな男に興味ない奴が、触手のぬめりでぬめぬめになって、なぜか分泌液で服だけ蕩けて、乱れていやらしい姿になって泣きだすのは堪らない。想像しただけで闇棒がギンギン建国している」 やめてくれ。俺は早くシンシアおよび村の可愛らしい女性たちとイチャイチャしたいだけなんだ。 「お前にならばきっと俺は簡単に殺せれるだろうな」 「は？」 「魔王を倒した男として、村だけではなく世界中でモテる男になれるぞ。俺に抱かれたら」 「なんででしょうか」