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一、運命的な失言⑫

「しるか。萎えてても問題ねえ。キスさせろ」 「もっと泣いて嫌がってほしい。女好きの称号テクニシャンが、男に自分からキスするんだぞ! もっと嫌悪感露わにして嫌がってもらわないと面白くない」 「魔王、なかなか最低な性癖だな。だがキスを甘くした魔王が悪いんだろ。キスさせろよ」 萎えたらしい魔王の口に吸いつく。 嫌がらなかったら萎えるという情報さえあれば、俺は魔王に襲われないかもしrない。 俺の後ろの処女は守れるのかもしれない! うきうきしている俺たちの部屋に、なだれ込む様な足音が聞こえてきたのはそれから数秒経った頃だった。 数秒経ったのち、ノックもせずに部屋に入ってきたのは、紛れもない俺の母ちゃんだった。 「お前、とうとう村の女に飽き足らず男にも手を出したね! んまぁ! しかも超イケメンじゃねか! 酒場のバーテンダーだ!」 村の娯楽少なすぎだよ。村の女たち、皆、こいつがバーテンダーだと知ってんじゃん。 「うるせー! 俺の乙女が危険な時に、来てんじゃねえ!」 「乙女が危険だったら来た方がいいじゃないの!」 「そうだな! ありがとよ! ばばあ!」 「んま!」 よりによってババアはそこらへんにあったもので攻撃してくる女だ。 そこら辺に何かないか探して、目をつけたのは壁に飾られた剥製だった。 角が4本生えた、魔物の剥製を、壁からバキバキと剥がすと、頭に装着し突進してきた。 「や、っべ! お前魔王なら助けろよ!」 「……萎えたから魔力も萎えた」 まじかよ! 俺は宿を飛びだすと、一目散に声援が聞こえる村の広場へ進んだ。 「リー! 俺も連れてけ!」 さようなら。リリア、ヨーロン、ミリー、ノア、シンシア、ぺドランテ、ロコシオン、マリア、ミーゼア、ビェイ夫人、ミッシェリー夫人、未亡人のロザンタ、カシスア、……ヨヨおばあちゃん、ネネおばあちゃん、ああ俺の赤い糸でできたヒモ、永遠に大切にするから。 「リー!」 「グー、良かった。来てくれたんだね。幼馴染として嬉しいよ。信じてたよ」 「ああ。あいつはなんとか説得したから。や、説得しない方が死んだ方がこの世界の為か」 リーの乗っていた馬車に乗り込み、息を整えながら窓を見る。 外を見れば、リーと俺に手を振る美女たちが見えた。 「グー、王都に到着したら俺が就職先を王に聞いてみるね」 「あー……急がなくて良いよ」 そこらへんの女性に微笑んだら一泊ぐらいなんとかなるだろうし。 王都なら99歳までの女性が沢山いるだろうから、一生困らないだろうし。 あの魔王が王都の入って来れないなら、王都に入ってからこの指輪をなんとか取ってやる。

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