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二、魔王を倒すにはまず仲間集め!①

その夜、俺は魔王のモノである指輪をはめられてしまっているので、王都に入る前結界に邪魔されてしまった。 ので、美しく時が停まった結界の守り主である美女を抱いた。 「王都セーメノーリッバかあ。王ってどんな奴なんだろうな。リーを一億倍良い奴にした人物だったらどうしよう。面倒だなあ」 「もうグーったら。お城がもう見えるって位置で、よくもまあそんなこと言えるよねえ」 リーを乗せた馬車が王都に入るが、歓迎モードの村とは違い、家から誰も出て来なかった。 みたこともない格好良い家が並ぶ中、人も見えない王都を進むと、近所の山みてえな大きな城が現れた。 周りを湖で覆っているようで、ゆっくり重たそうな橋が城から下りてくる。 「いくよ。王子と謁見だ」 「あー、馬車で待っとく」 「……魔王がその指輪の力でグーを見つけるのは時間の問題だけどいいの?」 咄嗟に魔王が現れて、リーが居なかった場合間違いなく俺は助からないか。 「行くよ」 「そうだよ。王子だって待ってるのに」 「王子ねえ。王都の連中だろうからどうせ軟弱なんだろうなあ」 「六代目であるユージン・セーメセッメ・ノーリバ・リバムリ・ドエスエス・サンクチュリア様はね」 「待て、それ名前か?」 「そうだよ。歴代の王の名前も引き継いでいってるんだ。王家サンクチュリアは魔王討伐の時の初代パーティーの重要な役割を持っていたんだ」 そういえば世界の歴史とか興味ないから、授業で習っても耳の右から左、左から右へと内容を聞いていなかった。 「へー。王家が勇者のパーティーにね。なんで? 魔法使い役?」 「ううん。世界中の宿屋を無料にしてHPも回復させたり、セーブポイントや街中、人様の家に宝箱を置いたり」 「まじかよ。すげえけど……」 「きっとサンクチュリア家ならば、魔王討伐の歴史は受け継がれてると思う。俺たちが習った魔王とは、極悪非道で人を人とも思わない冷酷な奴だったけど、俺はそこまで悪い奴っていないと思ってるんだ」 確かにリーは、畑の作物泥棒とかにも親切に話を聞いてやって解決していた。 ただ俺にこの指輪をはめた奴が本当に魔王だったら、極悪非道とは言わないけど悪だとは思う。 「だって勇者は魔王を殺すことはできなかったんだ。封印しなきゃいけないような、そんな相手だったってこと。俺は力を引き継いだからには、その相手の事を理解していきたい」 輝かんばかりの勇気と正義と責任に溢れた瞳。 リーは、悪やエロや無慈悲って言葉を知らずに生まれてきたような清らかな奴だ。 魔王とは正反対。 だからこそ、分かり合うのは無理だと思う。 俺だってこいつを良い奴とは思うけど、鳥肌立つほど理解できないし。 「サンクチュリア家ってお姫様とかいねえのかよ」 ふいと目を逸らし、目の前の城に再び目をやる。 「ああ。サンクチュリア家は代々男児しか産まれなさらないそうだよ」 「まじか」 「魔王の呪いらしい」

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