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二、魔王を倒すにはまず仲間集め!③

世界をゲイ国家にしてしまいたいぐらいのホモ魔王。 VS 自分をそんな目で見るホモは生理的に無理、消えてしまえと身体が訴えている勇者。 うわあ。確かに相いれない、お互いめっちゃ敵じゃん。 馬車の窓からちらりと外を覗くと、灰になってちりちり消えていく王子と、必死で王子を蘇らせようと慌てている兵士たちがパニックを起こしていた。 確かにあの王子、自分の美貌の前に胡坐かいてたからな。リーに断られるとは思っていなかったんだろう。 「ユージン王子、俺では駄目だろうか。王家は美形のせーえきを貰えれば貰えるほど強くなるのだろう。俺では駄目だろうか」 馬車から見ていた俺は、目を疑った。 王子の前に現れたのは――世界一目が死んでいる男、魔王だったから。 「ただし、俺が突っ込んであんあん言わせる方です。ドエスで今まで屈服したことのない王子を、朝まで俺の玩具だと身体に刻みこむ方」 な、何を怪しいことを言ってるんだ、こいつ。 「ならん。サンクチュリア家は代々攻めだ。いくらお前が美形でも図が高いぞ!」 「俺はお前らに抱かれる気は毛頭ない。陰毛のチリチリほどもない」 「へー、バーテンダーさんってチリチリなんだ。俺ら、サラサラだよね」 「……リー、お前って空気読めねえのな」 いきなり空が曇り、雷が落ちだしたこの状況の中、どうして陰毛の話になるんだ。 こいつがばっりばりの魔王だって証明しているぐらいの魔力があいつから溢れてるじゃんか。 「ユージンだったか。はっきり言うが、お前の初代サンクチュリア王ドエスエスは、簡単に俺に抱かれたぞ。初夜の話を聞きたいか?」 「誰が身内のそんな話を聞きたいか。どう考えても吐くだろ」 ユージン王子は顔を青ざめた後、すぐにフッと笑い魔王を見た。 「お前、――封印されていた魔王だな」 ユージン王子のその言葉に、橋の上にいた兵士たちはざわめきだした。 俺もまだ信じたく無いが、こんな場所に不意に現れる男なんて、魔王としか考えられない。 「封印されたというか、勇者が俺を拒否するから転生した来世の勇者なら俺を愛してくれると思って眠ってただけだ」 「そうか。残念だったな。今回の勇者もゲイではないぞ」

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