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二、魔王を倒すにはまず仲間集め!⑥

「魔王の建国闇棒を咥えたってことか!?」 ざわざわと兵士たちがどよめき、俺の顔を見る。 ぎゃああああああ。 止めてくれ! 俺にそんな趣味はねえ! 「やはり愛し合っているのですね。そう言えば先ほども村の休憩宿に二人で入って行ったし」 あがあああ!(ちがう!) 何、頬染めてんだよ。勇者の癖にキモすぎる。 「急所でもある建国闇棒を咥えさせる時点で、魔王とあいつにはただならぬ関係だと言っているようなもんだ!」 キスしかしてねえよ。プラトニックラブだってば。 「まあ、名前も知らなかった相手に抱かれたとは初めてだった……。とても刺激的な夜だったな」 なんで魔王まで便乗して言ってんだよ。てか、その陰毛、まじで俺の歯と歯の間に挟んだのなら絶対許さねえ! 「グーは俺の伴侶、スイート歯ニー……じゃなかったスイートハニーにする予定だ」 止めてくれええええええ。 「邪魔するなら、今すぐこの国を触手の大群で破壊する」 「じゃあ邪魔しない。俺の城には、俺のドM子猫ちゃんたちがいるからな。お前に手を出されても困るし」 「王子!」 「王子、素敵!」 「抱いて―!」 まじかよ。王子に歓声あげてるの、屈強な肉体の兵士たちじゃねえかよ。ドMなのかよ。 「そうか。じゃあお前に選ばせよう。俺と共に触手城に来るか? それとも此処でドMに調教されるか?」 なんでそんな極端な選択技しかねえんだ。 俺はこのホモホモしたホモ世界で、ホモに染まりたくない。 「俺は、お前を倒し、村に帰り(女の子たちに世話してもらいながら人生を全うし)たい。だから俺は、リーと共にいたい」 「グー!」 リーが嬉しそうに言うが、残念ながらお前のことは一ミリも考えていない。 「……お前、そんな美しい身体でまだ俺に抵抗すると言うのか。俺に心身ともに委ねたら、エロくて幸せな未来が待ってるのだぞ」 「そんな(ホモ展開)幸せじゃねえ! 俺の幸せはそんなんじゃねえ! 村の皆を守るために立ち上がる!」

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