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三、まさか、最初の仲間が魔王だとは。③

魔王は俺を見ると、膝をポンポン叩く。 勿論指輪をつけ逆らえない俺は、膝の上に座って魔王の首に抱きついた。 吐く。吐きそう。なんか魔王って良い匂いするし。無理。 「男と言うのは、自分より強い男に出会い服従することに最高の喜びがあるのだ。見よ、この美形なグーを。もう俺にとろとろ顔だ」 うっせ。呪いだ。呪い。 「……はっきり言うと、少し育っているが……グーもリーもこの王子の所有物にしたいぐらい美形だ」 「残念だな。グーは俺のモノだ。もう少し筋肉をつけたら最高だしレベル100になったら番になる」 まじか。絶対レベル100にならない。絶対ならない。絶対だ。 「えっと魔王、俺ちょっとあっちのフルーツも食べたいなあと」 「ああ、良いぞ」 ようやく呪縛から逃れた俺はごちそうが並んだテーブルの向こう側まで走った。 くそう。女が居ない世界なんて狂っている。今すぐ逃げ出してしまいたい。 「魔王らしいことをした方がいいかな」 いつまで経っても屈強な兵士のM字開脚に縛られた生贄が来ない事に拗ねた魔王は、長い爪に自分の顔を映しながら退屈そうに言う。 「魔王らしいこと、って?」 フルーツをやけ食いしながら、興味はないが一応聞いてみた。 「200年前、果敢にも俺に挑んできた勇者一行の一人に100年生きていた自称魔女っ子がいたんだが、やつをこの世から破滅させたい」 確かに魔王らいしことだけど、全力で止めてくれ。 「えっと、200年前ならもうお亡くなりになってるんじゃ」 「いや、その自称魔女っ子は、その自称齢100歳だった。不老不死とも言われうユニコーンの血やら人魚の肉やら、俺の精○やらを飲んだとされている」 いやいやいやいや、最後のナニをナニしたって? ってか飲んだってお前さんその時ちょめちょめしたんじゃあねえのかよ。覚えてないのか。 「てなわけでこの世に存在してはいけない相手なので破滅させてしまおう。輪廻転生も許さない。塵さえも残さない」 魔王様がお怒りだった。 って、あれ? 自称魔女っ子にナニしたって、この人、ホモだよな? 「その魔女さんは何者なのですか?」 俺の質問に、不機嫌そうに唇を尖らせた。 「女体化の薬を開発した第一人者だ」 ……魔王の地雷の一つ、女体化の。

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