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三、まさか、最初の仲間が魔王だとは。⑫

「……え?」 俺が自分の耳を疑った隙に、魔王はそこらへんでうねうねしている触手をブチっと切った。 「両手をおわん形にして差し出せ」 「こうですか?」 おずおずと手を丸くして差し出すと、ブチっと切った触手を雑巾のように絞った。 搾った触手から、とろりと液体が垂れてきて俺の手の中に溜まる。 「媚薬効果ありの触手の液体だ。これで慣らせ。ローション代わりになる」 え、血液型診断ができる魔王なら気付いてると思うけど、俺、超A型だから触手の分泌物とか無理。 「あの、ローションなら俺の荷物の中に」 「時間が無い。女体化の呪いが解けなくなる」 魔王の命令は絶対! と王様ゲームみたいなルールの中、俺は手の平に溜まった触手の分泌物を擦って温めた。 花の蜜みたいな、ちょっと癖のある甘い香りが漂いだして泣きそうになる。 コレが女性にだったら、喜んでしたのに。 「胸とミニ建国棒に丹念に塗りなさい」 「ミニじゃない。魔王が企画外なの。ってか塗る場所って、お尻のあそこだろ!」 「分かってるなら早く塗れ」 「くそう。セクハラだ」 世界の女性たちの、欲求に答える俺が、まさか自慰なんてするとはな。 そんなことしなくても俺と寝てくれる女性ばかりだった村のヒモ生活、カムバック。 だが権力に勝てない俺は、とろりと媚薬つきローション(だと思うことにする)をビック建国棒に落した。 俺の手のひらで温かくなったソレは、塗った瞬間更に甘い香りに変わりぬちゃぬちゃした音と共に卑猥だ。 「……グー、美しいぞ。もう少し足を開いて」 「せ、セクハラすんな」 指一本動かさず、俺の自由を全て奪う魔王に舌うちしつつも、視界がぼやけるようにふやけていく。 「や、やばぁい、なっに、こ、れ」 「どんな屈強な筋肉野郎でも5分と持たずにアヘ顔になる媚薬だ」 「ひ、ひどっ 俺、に、そんな」 ビクビクっと下半身が甘く疼く。 くそう。 まだ擦ってもないのに、イきそっ。 早漏テクニシャンと不名誉な称号が付くのはいやだと、根元をぎゅっと片手で握る。 「グーよ、もう少し足を開け」 「や、やだ。命令、しないで」 「開け」 魔王の命令さえ、甘く耳元で囁かれてるように俺を攻める。 「も、や、だ」 「……手も、塞き止めるな。出せ」 くそ。すげえ笑える発言なのに、逆らえない。 自分の意思なんて全く無視して足を開き、イきそうなのを我慢していた根元を解放する。 「ふ。イきたそうにピクピクと動いて可愛いな」 「う、る、せぇ……」 「うるさい?」 魔王が片眉を上げて俺を見下ろす。 「う、るせ……。は、あく、はやく、気持ち良く、し、ろ」 自分でイくぐらいなら、イかされた方がまだましだ。 「握っててやるから、ここは自分でほぐせ」 「え、あっぁあああっ」 つんつんと魔王が触れた秘部への刺激に思わず仰け反る。 ローションで濡れた指で突きやがって。 「指を、いれろ」 入れたくない、のに。 人差し指をツプンと入れた。

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