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三、まさか、最初の仲間が魔王だとは。⑬

うわあ、自分でも触ってる感触が分かるから気持ち悪い。 ぎゅっと力を入れていたのに、いざなぞられたり触れられると変な声が出て力が抜けていく。 自分の中に入って行く指先が、中のごつごつした感触に吐き気が込みあげてくるのに、命令からなのか媚薬のせいなのか止められない。 「その顔は好きだな。とろとろの顔、最高だ」 「そんな、顔、してなっ」 「ほら、早く指を動かして、解せ。俺が欲しいのだろ」 「うっ」 触手よりはましだから欲しいと思ったのであって、別に懇願するレベルじゃない。 仕方なく、だ。 躊躇する俺の腕を掴むと、魔王は死んだ目でにやりと笑う。 「力が入らないのだろうが、かわりにやってやろう」 「だ、だめっぇえええっ」 思いっきり、ズボっと音が鳴りそうなほど勢いよく引き抜かれ、指が出ていってヒクヒクとする其処へ、先ほどより深く指を突き刺した。 「ひゃ、ぁああっ」 「うん。良い調子だ。つぎは指を増やしてみるか」 鬼畜野郎! 自分の指が二本に増えて、卑猥な水音とともに出し入れされるのは死ぬほど恥ずかしい。 くっ……殺せ。 とか言いたくなるレベルで恥ずかしい。 「うん。なかなか可愛いな。下もこんなにとろとろで俺を受け入れたくて可愛いな」 「うるせ……」 「そんな事を言ったら、奥まで突いて、穿って、擦ってやらんぞ」 「くっ」 魔王のモノが俺のこんな可愛い場所に入るわけない、のに。 言葉だけでその快感を想像して、自分の指をきゅっと締めつけてしまった。 「お前にチャンスをやろう。これが分かれば、反対に俺の家紋、菊門で抱かせてやろう」 こいつの語彙力、200年前で死んでるんじゃねえの。 「今お前が触ってる場所は、入口か出口か」 きゅっと締めつけてしまっていた場所を、魔王がまた腕を掴んでじゅぼじゅぼ動かす。頭の芯がとろけて、何も考えられない。 せめて、女みたいな声だけはあげないように気を付けないと。 「ば、かじゃ、……ん、出口だ、し」 「ぶっぶ。はずれです。今日から俺を受け入れる入り口でーす」 俺は、死んだ。 この瞬間、死が頭を横切った。

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