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三、まさか、最初の仲間が魔王だとは。⑮

Side:リカルド 「はあー……」 いいなあ、グーは。 同性同士というのは見ないふりするけど、恋人と愛し合えてさ。 隣町一番の美女で性格も良くて、俺が勇者の力を持っていると知ると泣きながらも離れるのを祝福してくれたフレゼンタ。 いいなあ。俺も会いたいよ。 会いたくて会いたくて震えてるよ。ふるふる。 「りー、リカルド勇者様! リカルド勇者様!」 お酒に手を伸ばしていた俺は、この国の渋親父の大臣、スエツグの声にドアを開けた。 「ま、魔王からこれを」 「魔王から?」 ソッと俺の手のひらに乗せられたのは、まだピクピクと動く男根型の触手だった。 「ひーっ!」 「触手語を話してますが人間には理解不可能でして」 「え、えー。俺も分からないよう。ど、どうしよう」 すると、男根型の先端部分、某鈴口みたいな部分がパクパクと動いた。 『グーヤバイ。マオウ シス』 「昔の電報みたいな言葉だけど、魔王がヤバいって!」 「……ん? ヤバいのはグーなのに、魔王が死す?」 一体何が、あの奥の寝室で起こってるのだろう。 「ねえ、勇者ちゃん」 俺がピクピクしてる触手を持ってあたふたしていると、レイニン魔道士が手招きする。 先ほどより大人びた女性に変身してはいるが、全くそそられないからやはりこの人は男なのだと感じられる。 「何でしょうか」 「いやあね。あのグーって子、もしかしてって思ってね」 「なんですか?」 「初代勇者には、美しい婚約者がいたのよ。その美貌を永遠に保とうと、夜な夜な女性を襲っていた猟奇的な美人」 「……つまり?」 レイニン魔道士が何が言いたいのか分からず首を傾げると、ニヒヒと下品に笑った。 「女体化したグーちゃんが、その猟奇的な美貌を受け継いでたらどうする?」 「……グーが勇者の恋人の生まれ変わりとでも言いたいのですか?」 「さあねえ。うふふふ。あ、これ寝室の鍵よ、どうぞ」 長い廊下へ飛び出しながら、傾げた首が戻らない。 おかしな話だ。グーは確かに村一番の色男で、村一番のヒモで、その顔だけで生き抜こうとしている、女性大好きな男だ。 けれど、俺の為にと自分の宿題も渡してきたり、鍛錬にと自分の荷物も背負わせてくれたし、給食の野菜はいつも全て渡してくれた。  昔から知っているが、友達思いの良い奴なんだ。 そんな奴が、悪名名高い勇者の恋人の生まれ変わり? 「俺は信じない。グーを信じる」 自分の目で見た真実しか信じない。 扉の前で、グーを信じると固く決意しノックした。 「失礼する。リーです」 扉の前で待つが開けてくれる気配はない。が、扉の向こうからはドスンドスン、ゴンゴン音がしていた。 もしや魔王の暗殺をくわだてた不届きモノか侵入者が? 「失礼します!」 二人の激しいプレイだったら謝ろうと、思い切り扉を開けた。 すると部屋の中では、胸を揺らしながら魔王を追いかけてる親友の姿があったのだった。

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