「えっと、プレイ？　喧嘩？」 俺が首を傾げると、グーがキッと俺を睨む。 けれど、過度に露出し豊満な胸を揺らしながらバラ色の唇で喋るグーを見て胸を押さえた。 変な胸の動悸がする。 それどころか、目の前に居る２０年間親友だと思っていた相手が、……なんかめちゃくちゃ可愛い。 「リー、助けに来てくれたんだな！　嬉しい」 「え、ちょ」 抱きついてきたグーは、いつものひねくれた女好きではなく甘い香りをする女の子だった。 俺の恋人、フレゼンタなんて霞んでしまうほどの美少女になっていて驚いた。 「あ、安心してよ。完全な女体化じゃなくてさ、俺の男としての芯は残ってるんだ」 ぴらっと服をめくったグーは、何故か戦闘準備万端な芯を見せてくれた。 やめてくれ。それは別に見たくない。 なのに。 なのに、最近フレゼンタに会えていなかったしこの城は男しかいなかったせいか、グーにときめいた。心臓と下半身が熱い。 「リー、お願い……。俺のお願い、聞いてくれるだろ？」 甘い声で、強請るようにグーに言われ俺の理性は存在していなかったようにはじけ飛んで消滅した。 魔王と言う愛するべき存在がいなければ、俺は女性になったグーに何をしていたか分からない。 「どうしたんだ？　親友だろ、俺で良ければ」 「今すぐあの魔王を殺して消滅させろ」 薔薇の様な唇、桃色のほっぺ、豊満な胸にむちむち柔らかい身体。 戦闘準備バンザイな、下半身。 そんな恐ろしい言葉を吐く親友に軽く引いた。 「今しかチャンスがねえ！　女体化に怯んでる今しかアイツを殺せねえぞ」 「……グー」 もしかしてグーは……。 初代勇者ができなかった魔王討伐を、色仕掛けで達成しようとしていた？ 魔王を愛していなかったのか。なんて演技力なんだ。 「魔王は誰からも愛されることという行為を知らないまま、消えて行けとグーは言うのか？」 「――……。それは、こいつが自分で招いた結果だろ。俺やリーが気にする必要はない」 グーの言葉に、胸が張り裂けそうになる。 悪い奴は愛を知らない。知らないまま死んでいくのでは、きっと悪は減らない。 「グーが魔王にした色仕掛けは、魔王の一番弱い、『愛を知らない』部分を攻撃したゲスく最低な行為だと思う。魔王がさらに人を憎むだけだ」 「はん。お前だって魔王を全く愛してやれねえくせに。ホモきもいとか言ってたろ」 思ってはいたけど、口には出したことない。 それなのに一方的にグーは俺に言い続ける。 「グー、はっきり言わせてもらう」 「なに？」 怪訝そうなグーを見て、俺は身に纏っていたマントを肩にかけてセクシーな身体を隠す。 グーは何が起きたのか分からないのか、俺を見て固まっていた。 「俺も一応男なので、女性の体をしてる今、そんな無防備にされたら困る」 「ご、ごめん。ちんこ付いてるからまだOKかなって」 気まずい空気のまま、グーは自分の体をおさえて横を向く。