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四、結婚式してみようかな。①

Side:グイード・アロンソ・デ・メネセス 「うは。顎疲れた。顎外れてない?」 顎を押さえながら、リーに聞く。 「あのさ……何があったか聞いた方が良い?」 「いや、いい。言葉で説明したくない」 口であんなことをしたのは生まれて初めてだったケド、誰にも知られたくないし。 が、リーの顔色は悪く、どことなく俺と目を合わせようとせず避けているように見えた。 「リー?」 「お、俺、剣の修行してくる」 「今日、朝から八時間したって言ってたじゃないか」 「あれは、女の姿をしたお前に動揺した罰だ。情けない。いくら女性に触れてないからって」 「まあ、俺が美しいからしかたない。呪いは解けてないから、月一ぐらいでまた女になるぞ、チンコ付きで」 「最悪だ。本当、フレゼンタと結婚し――」 いいかけたリーはハッと口を噤む。 「なんだ?」 「いや、剣の修業を」 「リー!」 聞き返した俺から顔を逸らしたリー。 その時、ドドドドドドと廊下が揺れてドアを馬が蹴破り、馬に跨ったユージン王子が入ってきた。 「一応俺の部屋なんですけど」 「結婚の招待状の出席カードを持って来たぞ。ハレムの恋人たち全員と出席だ」 馬の上からヒラヒラと俺にカードを渡すと、優雅に戻って行く。 「いや、待て。待てよ!」 全く待たず、馬の蹄の音が遠のいていく。 出席カードってなんだよ、と落ちたカードを拾って目を見開いた。 『魔王ロベール・タナカ  嫁グイード・アロンソ・デ・メネセス 心も身体も結ばれた二人の結婚式を、来る×月×日に国民の前で愛の誓いとして披露する。 尚、世界の三分の二以上の国民が式に参列しない場合は、世界を破滅させる。 二人の愛を認めるものはイエス。 世界が破滅していいと思う者は欠席に○をして本人に届けろ』 無茶苦茶な招待状が、王子に届いていたらしい。 へえ……。嫁の俺でさえ、招待状しらなかったよ。へえ。 こんなの欠席に○して魔王に直接届けた時点で死を覚悟するしかねえし。 へえ。魔王って名前ダサいなあ。 結婚式に参加するか世界が破滅するかの二択かあ。迷えないなあ。強制だよなあ。 「グー、ぶつぶつ言ってるが大丈夫か?」 「全く大丈夫じゃねえ! なんだ、この予告状は!」 「よ、こくじょう? ヤンデレっぽい魔王の結婚式の招待状じゃないか」

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