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四、結婚式してみようかな。⑨

「じゃあ、ロー」 「なんだ」 「結婚式までは、花嫁と新郎は寝室が別なのがこの国の風習だから、俺は別の部屋をもらうな」 「は?」 ローと呼んだ瞬間、ちょっと瞳に生気が戻った気がしたけど気のせいだったようだ。 すぐに不機嫌になった。目は死んでいる癖に分かりやすい。 「ダメだ。魔界では、朝、昼、夜と三発愛し合うことになっている」 「……三回とか三度どか、もっと生々しくない言い方で言ってくれ。それ、本当?」 「ああ。俺がルールだから今決めた」 すると、ローは不機嫌全開で肩肘をつくと、外を見た。 「俺が不機嫌になると、その周りの天候が荒れ、洪水が起こり、大地に亀裂が起こる。自然災害だけでもこの国を滅ぼせるぞ」 「だー! どーせまだ一回もヤってねえんだから、結婚式まで待てよ!」 男の俺が、男で魔王であるローに本気で身体を開くと思ってるなら、その死んだ目みたいに死んでくれ。 「ああ、仕方ないな。こうしよう」 膝枕から起きたローは俺を見て、ナイフのように尖った爪を向ける。 「今此処で、ガンガン犯そう」 「はあ!?」 「この庭園の前を通る奴らに見せつけ、中で放たれたそれが、ゴプッと音を立てながら太腿に伝って落ちて行くのを見せてやろう。昔の風習で、本当に王に精を貰ったのか妃はその足を開いて中を見せたらしいじゃないか。よし、しよう」 「ぎ、ぎゃー! 助けてー。薄い本を読み過ぎた魔王が暴走してくるーっ」 暴れて逃げようとしたけれど、俺の足に触手が絡みついて、魔王が俺の肩を引き寄せた。 「まずは、その鍛えていない薄っぺらで真っ白な胸を曝け出し、俺が可愛がってやろう」 「ぎゃー! 胸の突起を可愛いさくらんぼとか言っちゃおうそうな展開だっ」 「お前のは薄いピンクだから熟れる前のさくらんぼだがな」 熟れる前のさくらんぼ! 「俺が真っ赤に実らせてやるぞ」 「ぎゃー! 舐められてる! たわわに実った俺の可愛いさくらんぼが、邪悪な下で転がされ、潰され、ツンツンされてる!」 わざとふざけないと、こんな真昼の庭園前で、可愛らしい俺の喘ぎが響いてしまいそうだった。 「誰か、この変態から助け……」 「おー、面白い事をやっているな」 ぞろぞろと美少年たちを連れて歩いてきたユージン王子が、おれの可愛い胸をまじまじ見ながら、後ろの美少年たちを振り返る。 「お前、王子だろ、助けろ!」 「皆、よーく見ろ。ハレムに入ったあかつきには、君達も俺とこんなことするんだよー」 嫌に優しい王子の発言に、その整った顔を無茶苦茶に殴りたくなる。 まだ経験もない美少年たちをハレムに入れて飼うつもりか。 ローは屈強なガチムチ好きだが、ユージンは繊細な美少年はハレム、ガチムチは椅子と二人の好きなタイプは違うらしい。 というか、こいつが世界を守る王子とか、世界終わった。 「あの人は、魔王の恋人ですか?」 「あ、にくどれい!?」 「わー、こんな真昼からエッチしてるのって愛?」 「違うよー。魔王はもうすぐあのひとと結婚するんだって」 美少年たちはユージン王子の後ろできゃっきゃっと生娘みたいに話だした。 くそう。殺す。

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